研究課題/領域番号 |
17390065
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
齋藤 尚亮 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (60178499)
|
研究分担者 |
白井 康仁 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助教授 (60263399)
上山 健彦 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (80346254)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2006年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2005年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
|
キーワード | プロテインキナーゼC / ライブイメージング / 脂質 / ジアシルグリセロールキナーゼ / ドン食作用 / NADPHオキシダーゼ / 小脳脊髄変性症 / 虚血 / ジアシルグリセロール / 細胞周期 / 核移行 / 凝集体形成 / 遺伝子操作動物 / GFP / 脂質メッセンジャー / カスケード / 神経可塑性 / ファゴサイトーシス |
研究概要 |
近年、脂質分子の細胞内での産生や動態を、特異的な脂質結合蛋白質あるいはそのドメインを用いて解析することが可能となり、細胞機能調節における脂質メッセンジャーの機能解明の糸口が開かれてきた。本研究では、脂質シグナリングが「いつ」「どこで」行われるかを解析することにより、脂質メッセンジャーの産生、移動、それによる情報伝達を秒単位で解析することを目的とした。その結果、以下の成果を得た。 1)ドン食細胞における脂質メッセンジャーシグナリングの時間的・空間的解析を行い、情報伝達因子や活性酸素酸性関連分子(PKC、Rac p47^<phox>,p40^<phox>など)がドン食時に、食胞膜にトランスロケーションし、活性酸素の産生などに関与することを示し、その動態を制御するメカニズムについて分子レベルで解明した。また、脂質結合能の違いにより、これら因子は異なるタイミングで異なる部位に巧妙にターゲティングし、活性酸素産生機構を制御していることを明らかにした。 2)ジアシルグリセロール(DG)-プロテインキナーゼC(PKC)-DGキナーゼ(DGK)について、時間的空間的に機能連関を検討した。つまり、(1)DGKgaminaがgammaPKCの活性依存的にアクセサリードメイン(AD)を介してgammaPKCと直接結合すること、(2)AD内の776番目と779番目のセリンがgammaPKCによってリン酸化され、これによりDGKgammaの活性が亢進すること、(3)さらに、DGKgammaADを強発現させることにより、gammaPKCのリトランスロケーションが抑制されることも明らかになった。これらの事実は、機能的に連関する2つの酵素の局在及び活性が実に巧妙に調節・制御されていることを示した。 3)DGKgammaが様々な細胞において細胞質から核内に移行すること、この核内移行にはキナーゼ活性は必要ではなく、脂質結合領域であるC1ドメインが核移行シグナルとして機能していることを明らかにした。さらに、核内のDGKgammaは細胞周期に関与していることを明らかにした。 4)gammaPKCの変異により発症する小脳脊髄変性症(Spinocerebellar ataxia : SCA14)について、PKCの機能異常との関連について解析した。その結果、PKC変異による凝集体形成の促進が関与することが示唆された。
|