研究課題
基盤研究(B)
網膜亜集団と遺伝子発現の関係を検討するため最も未分化なSSEA-1陽性プロジェニター細胞、次の発生ステージであるc-kit陽性プロジェニター細胞、いずれも陰性の細胞、の3つの集団について精製した後RNAを抽出しcDNAとして増幅をかけてからDNAchipでの解析をおこない、それぞれの遺伝子発現の包括的なパターンを得た。10個以上のこれらの集団での発現パターンが明らかである遺伝子について検討するといずれも予想どおりの発現パターンを示しており、増幅の過程が良好に行われている事が章かであったので、この結果をもとに、網膜亜集団と遺伝子発現の関係についての解析を開始した。一方で、CD138,CD73は本研究の初年度に行ったCD抗原の網膜における発現のスクリーニングで興味深い発現パターンを示すものとして解析の候補としてあがってきたのでその後の解析を行った。それぞれの空間的発現パターンを免疫染色により様々な発生段階のマウス網膜について解析し、さらにセルソーターで陽性細胞、陰性細胞に分画し、in vitroの解析系によりそれらの細胞集団の増殖能、分化能を検討した。その結果、CD138は顆粒を持たない毛様体細胞に特異的に発現しよいマーカーとなると同時に、また毛様体前駆細胞としての運命決定が網膜発生のかなり初期に行われることを明らかにした。最も未分化な網膜はこのマーカーと、網膜プロジェニター細胞のマーカーの両者を発現しており、まだいずれの運命決定も行なわれていない事が示唆された。一方CD73は視細胞前駆細胞のマーカーであることが明らかになり、この細胞を用いた細胞移植による細胞移植に道を拓いた。事実、マウス胎児網膜体外培養系へCD73陽性細胞を移植すると視細胞への効率のよい分化が観察されたが、in vivoでの眼への移植は効率が悪く、この技術の改善が今後の課題となった。
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