研究課題/領域番号 |
17390136
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
西連寺 剛 鳥取大学, 医学部, 教授 (10117351)
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研究分担者 |
佐藤 幸夫 鳥取大学, 医学部, 助手 (70144657)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2006年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | EBウイルス(EBV) / EBV再活性化 / SAP / SLAM / Burkitt'sリンパ腫細胞 / シグナル伝達 / サイトカイン / 遺伝子発現の調節 / B細胞 |
研究概要 |
1.SLAM/SAP発現とEBV再活性化:(1)Burkitt'sリンパ腫(BL)細胞株(8株)、他のB及びTリンパ球系細胞株(5株)及び胃上皮細胞株(2株)におけるSLAMおよびそのアダプター蛋白質であるSAPの発現を解析した。SLM発現は全ての細胞株でが見られたが、SAP発現はBL細胞株Daudi及びAkata、T細胞株Jurkat及びMT-4のみに認められた。Daudi及びAkataを抗ヒトIgで刺激するとSAP発現は速やかに減少し、それと同時にEBV再活性化が誘導された。TGF-β1処理Daudiで同様にSAP発現の減少とEBV再活性化が誘導されたが、TGF-βレセプターIIが欠陥しているAkataでは誘導されなかった。本結果は、SAPとEBV再活性化シグナル経路とのクロストークを示唆している(Virol.J.訂正中)。 (2)SLAMはB細胞の増殖及びIL-4遺伝子発現を調節する:SLAM発現陽性のEBV感染B細胞株OBを抗SLAM抗体で処理すると細胞増殖が抑制され、IL-4 mRNA発現が減少したがINF-γmRNA発現に変化はなかった。B細胞膜上のSLAMからのシグナルは細胞増殖およびIL-4転写調節に関わっている可能性が示唆された(投稿準備中)。 (3)SAP陽性のDaudi及びAkataの個々のクローン細胞はSAP発現レベルが異なる。SAP低発現のクローン程、抗ヒトIgやTGF-β1によるEBV再活性化の誘導効率が高い傾向が見られた(投稿準備中)。 2.EBV再活性化シグナル伝達.(下記論文掲載済): (1)AkataはTGF-β1で細胞の増殖抑制もEBV再活性化も誘導されない。その原因はTGF-β1レセプターIIの欠損によるシグナル伝達系の異常である。 (2)Akt/P13キナーゼ経路がP3HR-1細胞の増殖及びEBV再活性化を促進するシグナル伝達経路として機能する。 (3)EBV再活性化で発現される早期蛋白質EA-DはBL細胞株でリン酸化状態の違いにより4分子(58,50,48と44kDa)の形態をとり、リン酸化状態(58と50KDa)で出現し、その後脱リン酸化状態(48と40kDa)で細胞内に蓄積する。 (4)BL細胞株でp38MAPKは恒常的に細胞質内に発現され、IL-10産生をプラスに調節している。 3.今後の展開:EBV遺伝子変異は地域特異性を示す(論文掲載済)。(1)アフリカBL由来EBVと日本人から分離されるEBVのLMP1遺伝子型には大きい違いが見られる。(2)日本人由来LMP1はChina1型であるが中国人由来China1より多くの変異が見られる。
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