研究課題
基盤研究(B)
ヒト第22染色体に存在する、HIV曝露非感染状態を決定する遺伝子について、研究期間内にその最終候補をほぼ絞り込むことに成功した。即ち、DNAマイクロアレイを用いた発現解析によって、末梢血単核球のHIV抗原刺激に伴い、HIV曝露非感染者では発現が上昇し、感染者では逆に発現が低下する遺伝子二つを見出したが、これら二遺伝子は染色体上で互いに隣接して、しかも逆向きに存在していた。一方、同じ染色体領域の単一塩基多型(SNPs)の遺伝子型を群間で比較したところ、上記二遺伝子にごく隣接した二つの短い染色体領域で、曝露非感染者群とHIV感染者群の間に有意な頻度差を認めた。そこで、曝露非感染者で発現上昇が見られる二つの遺伝子の発現調節領域を探ったところ、これら二つの遺伝子の構造領域の間に、リプレッサーと思われる配列を見出した。しかも、このリプレッサー候補領域にはゲノム多型があって、互いにハプロタイプ関係をなす特定の遺伝子型が、曝露非感染者に集積していた。さらに、試験管内のルシフェラーゼ発現誘導実験でも、これらゲノム塩基配列の多型が遺伝子発現に影響することが明らかになった。さらに、上記ゲノム塩基配列多型領域の僅かにテロメア寄りにある、レトロウイルス複製制御因子APOBEC3Gについて、その末梢血単核球での発現が曝露非感染者で有意に高く、特にCD14陽性単球を1型インターフェロンで刺激した場合のAPOBEC3G発現誘導が、曝露非感染者で有意に高度となることが明らかとなった。このことから、単球におけるAPOBEC3Gの高発現が、曝露非感染者のHIV感染抵抗性の一機序であることが考えられる。今後、上記ゲノム塩基配列多型とAPOBEC3G発現誘導との関係が明らかにされねばならない。
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