研究課題
基盤研究(B)
ヒト腫瘍における胃腺粘液細胞型ムチンの発現を検討し、さらに抗体を使用して、診断手法の開発を行った。1.胃粘膜では、TTF等の粘膜庇護的な作用を有する物質との共発現について検討した結果、両者の間には強い相関があり、とくにH. pylori感染性慢性活動性胃炎では、粘膜の恒常性の維持に重要な役割を演じていることが示唆された。2.大腸腺腫の中で特に最近注目を集めている鋸歯状腺腫に焦点をあわせて検討したところ、正常大腸粘膜にはまったく確認できない胃幽門粘膜型の形質発現が鋸歯状腺腫にはしばしば認められることが明らかにされた。しかも、管状腺腫には分化の程度に関わらず、胃粘膜型の形質発現はまったく認められず、結論として、鋸歯状腺腫と感情腺腫は、その発生機転に著しい隔たりがあると予想される。3.腺粘液細胞型ムチンは抗生物質的な抗H. pylori作用を有する。したがって、特に胃液中でのその濃度の定量的測定法の開発は、潰瘍性病変の病態解明や粘膜庇護剤の開発にとってきわめて重要な意味を持つ。しかし、胃液による自己分解の影響下で、客観性の高い定量的測定法を開発することはきわめて困難であった。本研究により、患者から収集された胃液を対象に安定した定量法が開発され、今後さまざまな方面への応用が期待される。4.子宮頚管に発生する悪性腺腫が胃粘膜幽門粘膜型の形質を発現することは、石井恵子により明らかにされ、この腫瘍のクライテリアの明確化、診断の迅速化など、大きなインパクトを与えた。この研究で、新たに開発した診断キットを用いて、全国からコンサルテーションを要請された多数の症例の頚管分泌物に含まれる腺細胞型ムチンの検出を行い、この手法が本腫瘍の診断に革命的な進歩をもたらすことを明らかにした。
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