研究課題
基盤研究(B)
ヒトPPARαをノックインしたマウスおよび野生型マウスにDEHP, DEHA, DBPを曝露し、PPARαおよびその標的遺伝子発現、脂質レベルを測定した。これらのプラスチック可塑剤のPPARα標的遺伝子の発現は野生型マウスの方がノックインマウスより高く、PPARαを解した転写活性化に明らかな種差が認められた。即ち、ヒトのPPARαを介したプラスチック可塑剤による転写活性化はマウスより弱いかもしれない。0、 0.01、 0.05%のDEHPをマウスに約22か月与えたところ、肝腫瘍の発生はノックアウトマウスの方が高かった。そこでこのメカニズムの解明を行った。非腫瘍組織を用いた研究では、ノックアウトマウスの酸化ストレスレベルは野生型マウスより高く、炎症を示すp65やp50の発現レベルも高く、炎症のマーカーであるALTの活性値も高かった。従って、ノックアウトマウスの酸化ストレスの高いことが炎症を誘発し、腫瘍発生につながっていると想定された。一方、マイクロアレイによる網羅的解析では、ノックアウトマウスと野生型マウスで遺伝子発現プロファイルが全く異なっていた。細胞周期,アポトーシス誘導に関係するパスウェイ上の遺伝子に,ノックアウトマウスと野生型マウスの差が見られたため,リアルタイムPCRで確認を行った。その結果,ApaflとGadd45aの遺伝子は、野生型のマウスの肝腫瘍の組織で発現が亢進していた。これに対して、ノックアウトマウスの肝臓腫瘍の組織ではこれらの遺伝子の発現に変化は認められなかった。一方、cyclinB2とMcllの発現は、ノックアウトマウスの肝臓腫瘍でのみ増加していた。これらの結果から、DEHPを曝露したPparaノックアウトマウスで、Gadd45aの調節によるG2/M期の細胞周期停止の抑制が起こらず,さらにCaspase-3依存のアポトーシスが抑制された結果肝腫瘍を誘発した可能性が考えられた。
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