研究課題
基盤研究(B)
日本人の平均寿命は男女とも世界の中でトップクラスとなるに至ったが、その一方で急速な高齢化が進み老年疾患の罹患率が上昇している。それらの疾患を引き起こす主要な原因の一つが活性酸素種によるタンパク質の酸化損傷である。しかし、老化に伴って蓄積する酸化損傷タンパク質の種類や機能はほとんど解明されていない。本研究では、酸化損傷タンパク質を以下の各種モデル動物を用い機能プロテオミクス解析により明らかにした。また、内因性の酸化ストレス生成機構や酸化ストレスによる老化促進の分子機構についてもあわせて解明を行った。(1)酸化ストレス状態であり、特に脳機能障害を示す老化促進モデルマウス、SAMP8とSAMP10の脳を用いて、老年期脳機能障害に関与する可能性がある酸化(カルボニル化)損傷タンパク質を機能プロテオミクス解析を用いて明らかにした。その結果、抗酸化タンパク質のSODや分子シャペロンなどが酸化傷害を受けている事が明らかになった。(2)慢性腎不全を示すコラーゲンIV型ノックアウトマウスの腎臓および虚血再還流による酸化ストレス暴露サルの脳の提供を受けてプロテオミクス解析を行い、α-チュブリンやRho GDI1、Hsp70、DRP2などが酸化ストレス高感受性タンパク質であることを明らかにした。(3)内因性の酸化ストレス生成機構を解明するため、ドーパミンやその代謝物による活性酸素生成機構を解明した。その結果、ドーパミンやその代謝物は金属存在下で著しく活性酸素を生成することが認められた。(4)酸化ストレスによる細胞老化促進機構として、活性酸素(H_2O_2)によるDNA損傷が細胞内NAD^+の減少を誘引し、新たな老化制御因子であるSIRT1の活性低下を介してアセチル化p53が増加し、引き続きp21が発現することにより細胞分裂を停止させ、細胞老化を促進するという新しい機構を明らかにした。
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