研究課題/領域番号 |
17390188
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
安武 努 佐賀大学, 医学部, 助手 (20336126)
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研究分担者 |
水田 敏彦 佐賀大学, 医学部, 講師 (80253607)
尾崎 岩太 佐賀大学, 保健管理センター, 助教授 (80214120)
江口 有一郎 佐賀大学, 医学部, 助手 (80343341)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
2006年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
2005年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | C型肝炎 / 肝癌発症予防 / 肝疾患検診 / 追跡調査 / インターフェロン治療 |
研究概要 |
【研究の目的】 佐賀県は人口当たりの肝癌死亡率が全国一であり、その原因はC型肝炎キャリアが多いためであることがわかっている。そのため本県では平成2年より県・市町村・医師会・保健師・佐賀大学医学部から構成される肝疾患対策委員会が肝疾患検診をおこない、平成13年までに約1万1千人のHCVキャリアを見出した。本研究ではこれら検診で発見されたHCVキャリアのデータベースを作成するとともに、その後の受診動向、治療内容などを追跡調査し、検診事業が肝癌発症抑制におよぼす影響について検証する。 【研究の方法】 (1)HCVキャリアのデータベース作成 精密医療機関から報告された結果および検査センターに保管されている肝機能検査などから、データベースを作成する。 (2)受診動向・治療内容などの追跡調査 市町村を通じて、HCV陽性者に対し、受診状況、治療内容、治療継続の有無などについてアンケート調査をおこなう。 【研究の結果】 平成13年より佐賀県肝検診においてHCV抗体検査に加えHCVRNA,HCV抗原検査が導入され正確なC型肝炎ウイルス保有者の同定が可能となった。その結果平成13-17年の5年間で新たに2255人(受診者の4.4%)の新規HCV抗体陽性者が確認され、そのうち1230人(2.4%)をC型肝炎ウイルス保有者と判定、新たにデータベースへ追加された。このうちH13-15年に新規にC型肝炎ウイルス保有者とされた741名の医療機関への受診行動アンケート調査では以前から受診中の人も含めると86.9%の人が精密検査を受けていた。その中で69.8%の人が定期的検査の必要性の説明を受け、54.5%がC型肝炎の病態・治療について説明を受けたと回答した。しかしながら、この中で何らかの治療を受けていると回答したのは30%にすぎず、さらに治療を受けている人の中でもインターフェロン治療を受けているのは16.6%(全体の4.8%)にとどまっていた。 【研究の結論と今後の展望】 検診によりC型肝炎ウイルス保有者の8割以上が医療機関を受診しているにもかかわらず、C型肝炎に対する根治療法であるインターフェロン治療を受けているのは20人に1人にとどまっていた。今後医療機関でのインターフェロン治療の導入を推進しなければ将来の肝癌発生抑制の達成は困難と考えられる。
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