配分額 *注記 |
10,960千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 660千円)
2007年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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研究概要 |
外傷性腹膜炎の動物モデル: 敗血症モデルにおいて,CX3CR1遺伝子欠損マウスでは野生型マウスと比較して腹腔内および血中の細菌数が有意に多く,致死率が有意に上昇した.CX3CR1遺伝子欠損マウスと野生型マウスからマクロファージを単離して,殺菌能を検討したところ,CX3CR1遺伝子欠損マウス由来のマクロファージでは殺菌能が著明に低下していた.したがって,CX3CR1が敗血症においてはマクロファージの殺菌能を増強させることにより,保護的因子であることが明らかとなった. 敗血症の法医剖検診断 ケモカインレセプターであるCCR2及びCX3CR1の肺における発現を免疫組織化学的に検索したところ,敗血症群では対照群に比較して,明らかにCCR2及びCX3CR1の発現が増強しており,法医実務において,肺におけるCCR2及びCX3CR1の免疫組織化学的検索が,敗血症の診断のための有益な一つの指標となることを明らかにした. アセトアミノフェン肝障害 アセトアミノフェン肝障害では、好中球及びマクロファージの浸潤が観察され、好中球由来のiNOSが肝臓に対する障害因子であり、一方マクロファージ由来のHO-1が防御因子として作用することを明らかにした。 急性膵炎モデルの作成 セルレイン誘発急性膵炎におけるIFN-γの病態生理学的役割を検討したところ,IFN-γ遺伝子欠損マウスでは,膵臓におけるCOX-2の発現が増強し,結果として膵臓の障害が増悪していた.したがって,IFN-γが急性膵炎においては保護的因子であることが明らかとなった. 急性砒素中毒モデル 野生型マウスに亜砒酸ナトリウム(12.5mg/kg)皮下投与して,急性砒素中毒におけるIFN-γの病態生理学的役割を検討したところ,IFN-γ遺伝子欠損マウスでは,砒素による腎障害が増悪していた.砒素の解毒にはABCトランスポーターであるMRP1が重要な役割を果たしていることが知られており,IFN-γ遺伝子欠損マウスでは腎臓におけるMRP1の発現が著明に低下していた.このことから,IFN-γが砒素の解毒機構に関与していることが明らかとなった.
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