研究課題
基盤研究(B)
ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の持続感染は慢性胃炎および消化性潰瘍発症に深く関わる。なかでもCagA蛋白を産生するピロリ菌は強い萎縮性胃炎を惹起することが知られ、疫学的研究から胃癌との関連が強く示唆されている。発癌におけるピロリ菌CagAの役割を個体レベルで明らかにするため、東アジア型CagA (ABDD型CagA)を胃粘膜特異的あるいは全身性に発現するトランスジェニックマウスを作製した。これらCagAトランスジェニックマウスにおいて、生後12週ごろより胃粘膜肥厚ならびに胃上皮細胞の過剰増殖が確認された。この結果から、CagAは組織特異的な細胞増殖促進活性を有することが明らかとなった。胃粘膜上皮に対するCagAの細胞増殖活性が、CagAのチロシンリン酸化に依存した現象か否かを明らかにするため、リン酸化チロシン残基をすべてフェニルアラニンに置換した変異CagAをコードするcagA遺伝子を発現するトランスジェニックマウスの作製、系統樹立に成功した。また、CagAが示す分子多型と病変との関連を明らかにするため、既に樹立している東アジア型CagAトランスジェニックマウスに加え、欧米型CagA (ACCC型CagA)トランスジェニックマウスの作製に成功した。現在、これらマウスにおける消化管粘膜を中心とした病変発症・進展の検索を進めている。臨床単離された東アジア型ピロリ菌cagA遺伝子の解析から、一般に分子多型が少ないと考えられていた東アジア型CagAにおいても、EPIYA繰り返し領域内にかなりの重複・欠失が存在することが明らかとなった。これら東アジアCagA分子多型の機能解析から、SHP-2の結合能はCagAのEPIYA-Dサイトの数に比例する一方、Csk結合活性はCagAのEPIYA-AないしEPIYA-Cサイト数に依存することが明らかとなった。
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