研究課題/領域番号 |
17390219
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
坪内 博仁 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60145480)
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研究分担者 |
桶谷 眞 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50274816)
宇都 浩文 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (20347058)
蓮池 悟 宮崎大学, 医学部, 助手 (50381067)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
15,500千円 (直接経費: 15,500千円)
2006年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2005年度: 11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
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キーワード | 肝細胞増殖因子(HGF) / トランスクリプトーム / プロテオーム / マイクロアレイ / SELDI TOF / MS / クリンプロット / 劇症肝炎 / 組み換えヒトHGF / HGF / SELDIプロテインチップ |
研究概要 |
我々は、劇症肝炎患者血清から初めてヒトHGFを単離し、肝硬変ラットにおける著しい肝再生促進効果、炎症性腸疾患ラットの腸粘膜の修復促進効果を明らかにしている。難治性消化器疾患に対しては新しい組織修復療法の確立が望まれ、HGFはその組織修復作用から、臨床応用が期待されており、遺伝子組み換えヒトHGFを用いて既に劇症肝炎患者に対する医師主導型治験が開始されている。しかし、HGFの多彩な作用の分子メカニズムは十分解明されていない。本研究の目的はHGFの作用機序をDNAマイクロアレイ及び質量分析装置を用いて網羅的に解析し、その分子機構を明らかにすることである。抗Fas抗体誘導急性肝不全マウスを用いて、HGFにより特異的に発現誘導される遺伝子を網羅的に解析し、HGFの抗アポトーシス作用に関連する遺伝子を同定し、機能解析中である。また、ヒトから得られた初代培養肝細胞にHGFを添加し、24時間後に遺伝子発現を網羅的に検討した。これらの遺伝子の中には、細胞増殖関連、アポトーシス関連遺伝子など既知の遺伝子に加えて、HGFとの関連性が報告されていない遺伝子の発現変化も認めた。さらに、HGFは劇症肝炎患者で上昇することから、劇症肝炎患者、および急性肝不全モデル動物における血清プロテオーム解析を行った。劇症肝炎患者と健常者の血清をSELDI TOF/MSシステムを用いたプロテオーム解析を行い、発現の確認できた91ピークのうち、34ピークが2群間で有意差を認めた。これらの有意差のあるピーク蛋白は劇症肝炎の発症や病態進展に関連し、劇症肝炎患者で上昇するHGFとも関連する可能性が推察された。さらに、チオアセドアミド投与肝不全モデルラットの血清を用いて、クリンプロットシステムによるプロテオーム解析法を確立した。消化器疾患の組織修復におけるHGFの分子機構の詳細を明らかにすることは、HGFの臨床応用には不可欠であり、そのような分子機構解析にトランスクリプトームおよびプロテオーム解析が有用であると考えられた。
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