研究課題
基盤研究(B)
今年度は気管支喘息における炎症細胞と気道平滑筋細胞の相互作用を明らかにするために、以下の検討を推進した。すなわち、Th2サイトカインであるIL-9がヒト気道平滑筋細胞に作用して、肥満細胞の局所への遊走などに関与するSCF(Stem cell factor)や線維化に関与するTGF β_2,TGF β_3などの発現を誘導することを確認し、さらにversican、lamininの遺伝子発現を誘導することを示した。またTGF β_1が平滑筋細胞個々の収縮能を増強することをgel contraction法で示した。これらのことは炎症の場で気道平滑筋細胞が炎症細胞を引き寄せるだけでなく、引き寄せた炎症細胞の刺激を受け、傷害組織の修復、またはリモデリングにも関与する可能性を示唆するものである。一方、気管支喘息の気道局所で増加する筋線維芽細胞の由来は、従来気道線維芽細胞、一部の気道平滑筋細胞であると推測されてきた。最近、ヒト気道上皮細胞が局所の微小環境によっては筋線維芽細胞に変換することが報告され、上皮間葉移行(epithelial mesenchymal transition、EMT)として注目されている。そこでヒト上皮細胞株A549細胞をTGFβ_1存在下に48時間培養したところ、上皮マーカーであるE-cadherinの低下と間葉系マーカーであるvimentinの発現を認めた。さらに、この細胞はgel contraction法において明らかな収縮能を示し、筋線維芽細胞ないし平滑筋細胞様の動態を示した。喘息の気道炎症とくに難治性喘息でその役割が注目されるサイトカインTNFαを添加すると上記の現象は増強された。以上のことから、慢性喘息にみられる気道リモデリングにおけるEMTとその過程におけるサイトカインや成長因子の役割が示唆された。
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