研究課題/領域番号 |
17390282
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
丸山 征郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
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研究分担者 |
阿邉山 和浩 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特任准教授 (30284897)
橋口 照人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (70250917)
内村 友則 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (20363616)
伊藤 隆史 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (20381171)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
16,140千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 1,440千円)
2007年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2006年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2005年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | トロンボモデュリン / トロンビン / DIC / ショック / 敗血症 / ラディカル / HMGB1 / 播種性血管内凝固症候群(DIC) / 救命 / 循環器・高血圧 / 免疫学 |
研究概要 |
トロンボモデュリン(TM)は、内皮細胞細胞上でトロンビンを凝固酵素から抗凝固酵素へと変換する膜タンパクである。すなわちTM分子の4、5、6番目のEGF様ドメインにトロンビンが結合すると血小板活性化能や凝固因子活性化能が消失し、逆にプロテインC活性化能が著しく増強される。活性化プロテインCは、活性化第V、第VIII因子を分解し、凝固反応をストップさせる。このTMの抗血栓作用は、TM分子の4、5、6番目のEGF様ドメインに活性がある。 一方、HMGB1は本来、DNA結合タンパクであるが、細胞外に出てくると、RAGEやToll-like receptor-2,-4を介して種々の細胞を活性化する。このHMGB1は局所では免疫と止血の誘導、未分化間葉系細胞を誘導し、損傷部位の止血、感染防御、組織の修復に重要な役割を果たす。しかしこのHMGB1が全身を循環すると、炎症転移のメディエーターとして作用し、ショックや多臓器不全を引き起こす。 我々は先に、TMのN末端領域にHMGB1が結合し、HMGB1の作用を消去することを見出した。さらに以前に我々はTMには、ラディカルスカベンジャー作用があることも報告している。 そこで、本研究では、トロンビン、HMGB1、ラディカルが血中に増加して多彩な病態を発現するエンドトキシンショックにTMがどのような働きをするのか検討し、以下の結論を得た。 1.TMは感染や外傷部位で発生するトロンビンのみでなく、HMGB1、ラディカルをも消去して、生体の循環内を守護している。 2.血管内TMをダウンレギュレーションすると、これらのメディエーターに対する閾値が低下し、DICをはじめとする病態が惹起される。 TMの補充は、DICのみでなく、ショックやSIRSをも改善する。
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