研究課題/領域番号 |
17390292
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
膠原病・アレルギー・感染症内科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
西村 泰治 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (10156119)
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研究分担者 |
千住 覚 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (50274709)
入江 厚 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (30250343)
中面 哲也 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (30343354)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
2005年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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キーワード | 自己免疫疾患 / 樹状細胞 / 免疫応答 / MHC / 制御性T細胞 / 悪性腫瘍 / 免疫療法 / 胚性幹細胞 |
研究概要 |
ES細胞から樹状細胞を作成する技術(ES-DC)を基盤とした免疫制御療法の開発を進めるべく、以下の研究を行なった。 1.抗原特異的免疫抑制による自己免疫疾患治療法の開発 マウスをMOG(ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク)由来のペプチドなどで免疫することにより、EAE(実験的自己免疫性脳脊髄炎)が惹起される。遺伝子導入によりMOGペプチドをT細胞に提示すると同時に、T細胞の細胞死を誘導するTRAIL、あるいはT細胞の反応を抑制するPD-L1を発現するES-DCを作製した。このようなES-DCをマウスに移入することにより、MOGペプチドの免疫により誘導されるEAEの発症を抑制できることを発見した。さらに、MOGとTRAILを共発現するES-DCによるEAE発症抑制の機序として、病因となる自己反応性CD4^+T細胞に細胞死を誘導することに加えて、CD4^+CD25^+regulatoryT細胞の機能亢進が関与していることを示す結果を得た。 2.ES細胞由来の樹状細胞を用いた抗腫瘍免疫療法の開発 Glypican3(GPC3)は、ヒト肝細胞癌、ヒト悪性黒色腫、マウス悪性黒色腫B16-F10に共通して発現している新規腫瘍特異的抗原である。GPC3を発現するES-DCをマウスに投与することにより、GPC3陽性マウス黒色腫細胞B16-F10に対する拒絶効果を誘導できた。 ES細胞を用いる医療技術においては、ES細胞とレシピエントの間でのHLAをはじめとする遺伝的背景の違いが問題になると予測される。しかしながら、ES-DCの場合は、発現するHLAの一部がレシピエントと共通であるES細胞から作製したものを用いることにより、そのHLAに拘束された抗原特異的なT細胞を活性化し、免疫応答を惹起することが可能であると考えられる。今年度の研究では、H-2K^<k/b>のES-DCにモデル抗原であるOVAを発現させたものを、セミアロジェニックな関係のH-2^bあるいはH-2K^<d/b>のマウスに腹腔内投与した場合に、H-2K^bに拘束されたOVA抗原特異的な細胞傷害性T細胞が誘導できることを明らかにした。 3.霊長類ES細胞からの遺伝子改変樹状分化誘導法の開発 京都大学再生医学研究所よりヒトES細胞の譲渡を受け、培養を開始した。我々は、以前の研究においてカニクイザルのES細胞から樹状細胞を分化誘導する方法を開発しており、今後は、この方法を基にして、ヒトES細胞からの樹状細胞分化誘導法の開発を行なうことを計画している。
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