研究課題
基盤研究(B)
マスト細胞は1型アレルギー反応のエフェクター細胞であるが、Toll-like receptors(TLRs)などを介して自然免疫に関与し、病原体、特に細菌感染における生体防御に重要な役割を担っている。細菌われわれは皮膚マスト細胞がウイルスの構成成分を認識するTLRs7,9を機能的に発現していることを報告したが(J Immunol 173:531,2004),ウイルス感染においてマスト細胞が生体防御に関与しているかはほとんど分かっていない。われわれはHepes simplex virus(HSV)がマスト細胞の脱顆粒を誘導し、感染するか、またサイトカインを産生させるかを、マウス胎児皮膚由来マスト細胞(FSMC)を用いて検討した。HSV1(KH7株)、HSV2(186株)をFSMCに感染させると、viabilityに影響を与えずウイルス数依存性に10分後に脱顆粒を誘導した(β-hexosaminidase assay)。蛍光抗体法により感染3時間後にすでにマスト細胞内でウイルス蛋白が検出され、HSVがFSMCに感染することが確認できた。また、24時間後の培養上精中のサイトカイン(TNF-α,IL-6,IFN-α)の有意な産生は認められなかった(ELISA)。さらに、LPSで刺激したときのこれらのサイトカインの産生を抑制した。186株(5×10^6PFU)をB6マウス皮内に注射したところ、in vivoのマスト細胞の脱顆粒と炎症性細胞浸潤が認められた。以上の結果より、皮膚マスト細胞がHSV感染により脱顆粒するが、炎症性サイトカインの産生は起こさないことが明らかにされた。現在その意義をマスト細胞ノックアウトマウスと野生系マウス、マスト細胞ノックアウトマウスを用いて、in vivoで検討中である。
すべて 2007 2006 2005 その他
すべて 雑誌論文 (23件)
Dermatology 214
ページ: 210-220
Int Arch Allergy Immunol 142
ページ: 309-317
J. Immunol. 176
ページ: 181-190
J Invest Dermatol 126
ページ: 1804-1812
Monthly Book Derma 120
ページ: 23-28
J Dermatol. Sci. 40
ページ: 147-155
Clinical Cancer Res. 11
ページ: 8201-8207
Int J Cancer 116
ページ: 624-633
Int J Cancer 114
ページ: 283-290
J Biosci & Bioeng 100
ページ: 112-115
J Immunol. 174
ページ: 164-173
皮膚免疫ハンドブック改訂2版
ページ: 32-38
10018032522
Biosci & Bioeng 100
110002703752