研究課題/領域番号 |
17390315
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
曽良 一郎 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40322713)
|
研究分担者 |
富田 博秋 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (90295064)
沼知 陽太郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00261636)
小林 秀昭 東北大学, 大学院・医学系研究科, リサーチレジデント (90344069)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2006年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
2005年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
|
キーワード | 脳神経疾患 / 統合失調症 / 認知 / 前頭前野 / ドーパミン / ドパミン / ノックアウト / PPI / トランスポーター / 前頭前野皮質 / ノルエピネフリン / PPI-PSI |
研究概要 |
1.DAT-KOは驚愕反応のプレパルス・インヒビション(PPI)の障害を示す。中枢刺激薬であり非特異的モノアミントランスポーター阻害剤であるコカイン、メチルフェニデートを投与された野生型マウスではPPIが障害されるのに対し、DAT-KOでは元来障害されていたPPIが回復するという逆説的効果を認めた。また、選択的セロトニントランスポーター(SERT)阻害薬シタロプラム投与ではDAT-KOのPPIは回復しなかったが、選択的ノルエピネフリントランスポーター(NET)阻害薬ニソキセチン投与では用量依存性にPPIが回復した。以上の結果から、DAT KOにおいては、NET阻害作用がPPIの改善に関与することが示唆された。脳内微小透析法による検討では、DAT-KOにおいてメチルフェニデート投与により前頭前野皮質の細胞外DA濃度が増加したが、線条体では変化しなかった。両部位ともにセロトニンは変化せず、前頭前野皮質におけるDAの上昇は、NET阻害によってノルエピネフリン神経終末に取り込まれていたDAが細胞外で増加したと考えられ、同部位におけるDAの動態がDAT-KOマウスにおけるPPIの改善に関与している可能性を推測した。 2.我々は、主観的に直接知覚された刺激強度がその直前に別の知覚刺激(プレパルス)を与えることで減弱する現象、Prepulse Inhibition of Perceived Stimulus Intensity(PPI-PSI)を用いて、「知覚刺激強度の判断」による知覚情報制御の直接的測定法を開発した。健常対照群と統合失調症患者群におけるPPI-PSIを比較検討した結果、患者群では、対照群に比してPPI-PSIの有意な障害を認めた。PPI-PSIは統合失調症患者の感覚情報制御機能の簡便で直接的な測定法であり、統合失調症の情報処理研究の新しく有用なツールとなりえると考えられた。
|