研究分担者 |
小山 倫浩 産業医科大学, 医学部, 准教授 (00309965)
花桐 武志 産業医科大学, 医学部, 講師 (30299614)
浦本 秀隆 産業医科大学, 医学部, 助教 (90389445)
小野 憲司 産業医科大学, 医学部, 助教 (40369062)
安元 公正 産業医科大学, 医学部, 教授 (30150452)
菅谷 将一 産業医科大学, 医学部, 助手 (40352306)
仲田 庄志 産業医科大学, 医学部, 助手 (40373154)
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配分額 *注記 |
15,980千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 780千円)
2007年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2006年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
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研究概要 |
(1)遺伝子発現プロファイル解析(K-ras,p53,p27,p16,E-cadherin,β-catenin,TSP-1)、メチル化解析(CDH1,p16,FHIT)、および多発肺癌の遺伝子発現解析(同一組織型の多発肺癌のp53,p16,p27,c-erbB2)により、個々の腫瘍の生物学的特性を検討し、分子ステージンングへの応用を検討、報告した。(2)肺腺癌における発癌機序の解析:EGFR、K-ras遺伝子構造異常、p53遺伝子発現異常の観点から、多発肺癌の発癌における遺伝子変異の機序を解析し、多発癌の場合の発癌機序が同一である可能性を示した。(3)分子標的解析:非小細胞肺癌469例のEGFR変異を解析し、腺癌、女性、高分化型、非喫煙者に高頻度でかつ喫煙と逆相関した。Retrospective、Prospective解析ともに治療効果は、EGFR変異例で良好で、有意に予後良好であった。Prospective studyとしてEGFR変異19例を登録、奏効率63.2%、病勢制御率89.5%、中間PFSは7.1カ月で、MSTは20.0カ月であった。一方、gefitinib耐性となった腫瘍7例中5例にExon20 T790M変異を検出した。また、gefitinib初期耐性の腫瘍からG796A変異を検出し、in vitroにgefitinib耐性を確認し、耐性機序の一つの機序であることを報告した。TKI治療は肺癌における個別化治療が現実化できる可能性を持った治療法といえる。(4)薬物代謝酵素発現解析による抗癌剤選別法の開発:Gene Arrayを用いて薬剤代謝酵素(チトクロームP450系)96遺伝子を網羅的に解析し、約半数の肺腺癌にCYPIA1,2A6,2E1,3Aの発現が確認された。肺癌中のCYP発現は、腫瘍マーカーおよび抗癌剤選別の因子として臨床応用の可能性がある。【まとめ】これらの遺伝子変異や発現異常を加味した悪性度診断の確立と、分子標的を対象とした治療は、個々の癌患者に対し、選択的なより良い治療体系を確立するために極めて重要であり、癌治療とその有効性の向上に寄与すると考える。
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