研究課題/領域番号 |
17390395
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
薄井 宏 新潟大学, 脳研究所, 助教 (20192510)
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研究分担者 |
崎村 建司 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40162325)
鷲山 和雄 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (00183715)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
16,430千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 1,230千円)
2007年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2006年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2005年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 疾患モデルマウス / 脳腫瘍 / コンディショナルノックアウト / 癌抑制遺伝子 / 髄芽細胞腫 / 脳腫瘍モデル動物 / グリオーマ |
研究概要 |
通常の全身型遺伝子破壊では胎生致死になる癌抑制遺伝子を、脳内細胞で選択的に破壊(コンディショナルノックアウト)することにより、脳腫瘍のモデルマウスを作製することが本研究の目的である。 当該研究期間内に我々は、マウスES細胞にベクターDNAを導入した後、相同組み換えES細胞を選択してマウス初期胚に注入することにより、5種類の遺伝子改変マウスを作製した。作製したマウスは、癌抑制遺伝子のPtcあるいはNf1のフレームシフトエクソンをloxP配列で挟んだ2種類のfloxマウス、神経系細胞マーカー遺伝子であるNestinとTubb3の翻訳開始点にCreリコンビナーゼを導入した2種類のノックインマウス、そして、Nf1-flox型のES細胞に新たな薬剤耐性遺伝子を挿入することでNf1遺伝子近傍にあるP53遺伝子を破壊したNf1-flox;P53-nullマウスである。これらのマウスを交配することにより、脳内細胞選択的な癌抑制遺伝子の破壊を行なった。 得られたマウスを観察したところ、Ptc-floxヘテロ;Tubb3-Creヘテロマウスで5ケ月以内に5%(2/4)の頻度で小脳原発の腫瘍の発生が認められた。発生した脳腫瘍はマーカー蛋白の発現に乏しい未分化の細胞から成り、ヒトの髄芽細胞腫の組織像に類似していた。一方、Nf1-floxヘテロ;Nestin-Creヘテロマウス、並びに、Nf1-fIox;P53-nullヘテロ;Nestin-Creヘテロマウスでは6ケ月齢までに脳腫瘍は観察されておらず、遺伝子変異をホモに持つマウスの作製が必要と考えられた。 これらの所見は、Ptc遺伝子の変異が髄芽細胞腫の発生原因の1つであることを示しており、脳腫瘍の発生原因解明に貢献することができた。また同時に、治療法の開発に役立つ髄芽細胞腫のモデルマウスを作製することができたことを意味しており、その意義は大きい。
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