研究課題/領域番号 |
17390410
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
原 由紀則 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (30396741)
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研究分担者 |
緒方 直史 東京大学, 医学部・附属病院, 客員教員 (10361495)
馬淵 昭彦 (馬渕 昭彦) 東京大学, 医学部・附属病院, 客員准教授 (80312312)
原 慶宏 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (00422296)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40282660)
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
門脇 孝 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30185889)
石山 典幸 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60376481)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
16,310千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 810千円)
2007年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2006年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
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キーワード | 骨 / 骨密度 / Akt / 骨粗鬆症 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / ノックアウトマウス / アポトーシス / 軟骨 / 成長板 / 石灰化 / インスリン / 軟骨内骨化 |
研究概要 |
本研究は、骨形成作用を持つインスリン/IGF-Iシグナルを細胞内で促進的に伝達するAktの骨代謝調節における生理的な役割・分子メカニズムを明らかにする目的で、Aktlホモノックアウトマウス(Aktl-/-)の解析を行い、下記の結果を得た。 (1)骨芽細胞や破骨細胞ではAktlの発現が最も優位であったことより、Aktl-/-マウスの骨格系に関する表現型を検討すると、海綿骨と皮質骨ともに骨量が減少していた。骨組織形態計測ではAktl-/-マウスでは骨芽細胞数の減少とともに骨形成が低下しており、TUNEL染色では骨芽細胞のアポトーシスが亢進していた。 (2)骨芽細胞の生存/アポトーシスにおいて、Aktlシグナルは、転写因子Fox03aをリン酸化してその核内局在を阻害することにより、ミトコンドリア経路のアポトーシス促進因子であるBimの転写・発現を抑制することによって、アポトーシス抑制的に作用していた。また、Aktlシグナルは骨芽細胞分化に必須の転写因子Runx2のDNA結合を促進することにより、Runx2を介する骨芽細胞分化と石灰化を促進する作用を持つことが示された。 (3)骨吸収を担う破骨細胞ではAktlが細胞自律的に分化と生存に促進的に働いていた。また、破骨細胞の形成を支持する骨芽細胞ではAktlがreceptor activator of nuclear factor-κB ligandの発現を促していた。 本研究により、Aktlは骨組織において骨芽細胞や破骨細胞の分化・生存を促進し、骨形成と骨吸収を正に制御しながら骨量を維持する重要な役割をはたしていることが明らかとなった。Aktlは生体内ではユビキタスに発現しており、機能も多彩であるため、骨粗鬆症をはじめとする骨疾患の治療標的分子とはなり難いが、Aktlに関連する分子ネットワークのさらなる検索が骨疾患のより良い治療へと繋がるものと期待される。
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