研究分担者 |
鄭 雄一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30345053)
川口 浩 東京大学, 医学部・附属病院, 准教授 (40282660)
中村 耕三 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (60126133)
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00130245)
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配分額 *注記 |
16,490千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 990千円)
2007年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2006年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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研究概要 |
本研究では,siRNA内包ナノキャリアの分子設計・物性評価,およびスフェロイド培養系およびin vivo実験を含めた生物学的評価行った. 1.高分子設計・物性評価による構造最適化 siRNAまたはsiRNAコンジュゲートとカチオンポリマーとで形成されるsiRNA内包ナノキャリアの単分散会合体形成,生理的環境下での安定性を確認した. 2.スフェロイド長期培養細胞に対するキャリアによる増殖抑制 本キャリアを用いて,DNAヘリカーゼファミリーのひとつであるRecQL1をターゲットとするsiRNA投与を行ったところ,培養開始後1週以降のスフェロイド増殖を著明に抑制した.低濃度で効果が見られ,ナノキャリアの生理的環境下での安定性,スフェロイド内部への高い浸透性,リガンドによる効率よい細胞内取込みが寄与するものと推測された. 3.ナノキャリア生体適合性評価 培養細胞を用いた生体適合性の検討で,本キャリアは細胞毒性が少ないのみならず,内在性遺伝子の恒常発現もほとんどほとんど変化せず,細胞の生理的機能に影響を与えない安全なキャリアとなるが示唆された. 4.in vivo投与による骨再生 本キャリアはpDNAを用いた培養細胞への遺伝子導入の系で,高い導入効率を持ち,優れた生体適合性,遺伝子の持続的発現により,効率よい細胞の分化誘導が可能となった.このナノキャリアを動物骨欠損モデルに応用したところ,ウィルスベクターを上回る効率的な骨再生誘導を確認した.siRNAのin vivo展開として,さらなるキャリアの安定化を得るべく,キャリアへの架橋導入,アニオン性高分子による被覆などの検討を開始している.
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