配分額 *注記 |
16,210千円 (直接経費: 15,100千円、間接経費: 1,110千円)
2008年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2007年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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研究概要 |
平成20年4月から21年3月までに,悪性高熱症や関連疾患患者およびその血縁者9名でCICR(Ca-induced Ca release)速度の測定を行った.1名で冷蔵宅配便を利用して摘出骨格筋を輸送した.内訳は,悪性高熱症劇症型2名,悪性高熱症の家族歴5名,筋疾患2名であった.7名でCICR速度の亢進があり悪性高熱症の素因があると診断したが,2名ではCICR速度の亢進はなかった.同意が得られた8名の摘出骨格筋から衛星細胞を培養後,-70℃で凍結保存したのち培養したところ,その成功率は100%であった.凍結細胞を解凍後,myotubesに分化した状態でmyotubesのカルシウム動態を検討した.骨格筋小胞体のカルシウム放出チャンネルの刺激薬であるカフェイン,ハロタンおよび4CmCを使用して,細胞内のカルシウムイオン濃度の上昇を,CICR亢進がある亢進群とない非亢進群で比較した.この対象症例は亢進群23,非亢進群23であった.カフェインのEC50は亢進群2.69±0.77mM,非亢進群5.25±0.77mM,ハロタンのEC50は亢進群1.71±0.35mM,非亢進群は3.56±0.77,4CmCのEC50は充進群143.9±36.5μM,非亢進群は298.4±61.8μMで,すべて両群間に有意差が認められた.なおプロポフォールは,臨床使用濃度ではmyotubesのカルシウムイオン濃度の上昇は認められなかった.カルシウム拮抗薬であるニフェジピンは150nMでmyotubesの細胞内のカルシウム濃度を上昇させた.HEK細胞に悪性高熱症の原因と考えられる変異RYR1遺伝子を導入したところ,この細胞ではカフェインや4CmCではより低濃度の刺激で細胞内のカルシウム濃度の上昇が確認され,この変異が悪性高熱症の原因であることが示唆された.
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