配分額 *注記 |
11,560千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 960千円)
2007年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2006年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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研究概要 |
本邦における家族性前立腺癌の遺伝子解析を罹患同胞対解析によって得られた1p36および8p23領域を中心に遺伝子解析を行った。Macrophase scavenger 1(MSR1)遺伝子は、欧米の報告では、Exon上に7つのmissense変異(Pro36Ala, Ser41Tyr, Val113Ala, Asp174Tyr, Pro275Ala, Gly369Ser, His441Arg)と1つのnonsense変異(Arg293X)、さらにIntron中に4つのシークエンス変異(PRO3, INDEL1, IVS-59, INDEL7)が同定されている。我々のサンプルからはPro36Ala, Ser41Tyr, Val113Ala, Asp174Tyr, Gly369Ser, His441ArgおよびIVS5-59の遺伝子多型は認められなかったが、Exon8においてLys338Xのnonsense変異が認められたのをはじめ、promoter領域に3つ、Intron7に2つ、Exon11に6つの遺伝子変異を同定した。Association studyにより、PRO3"G"およびINDEL1"+"はχ二乗検定によりp-valueはそれぞれ、0.319,0.319と有意差を認めなかったが、P275A"C"およびINDEL7"-"は0.032および0.041と有意差を認め、P275AのCアレル、およびINDEL7を認めないものは、日本人における家族性前立腺癌の責任遺伝子の候補になると考えられた。さらに、脂質関連酵素のなかでfarnesyldiphosphate farnesyltransferase(FDFT1)のエクソン1に存在するSNPであるrs2645629の遺伝子型が発症リスクに関連していた。この酵素は前立腺癌細胞で多く発現しており、siRNAによって発現を抑えることによって前立腺癌細胞増殖の抑制が認められた。以上のように8p23領域を中心に本邦における家族性前立腺癌の責任遺伝子の候補を同定することができた。
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