研究課題/領域番号 |
17390463
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
黒野 祐一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80153427)
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研究分担者 |
松根 彰志 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (00253899)
西元 謙吾 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50305132)
福岩 達哉 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60325785)
小田 紘 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40107868)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
13,030千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 630千円)
2007年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2006年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2005年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | ホスホリルコリン / 経鼻ワクチン / 広域スペクトラム / 粘膜免疫 / 粘膜アジュバント / IgA / インフルエンザ菌 / 肺炎球菌 / 舌下ワクチン / IgE / PAF受容体 / NALT / 経鼻免疫 / 粘膜ワクチン / CpG / Flt3 |
研究概要 |
1)ボスホリルコリン(PC)の免疫学的意義 急性喉頭蓋炎、扁桃周囲膿瘍の患者血清を用いてPCに対する抗体活性を比較したところ、非感染症患者よりも高いPC特異抗体活性を有していた。すなわち、PCが免疫原性を持ち、防御抗体を誘導する抗原になりうると推測される。 2)PCと病原性の関連性 インフルエンザ表面のPC発現をELISAで定量したところ、細菌の増殖期にPC発現量は増加し、定常期には低下していた。また、PC高発現の細菌は上皮細胞への接着能が亢進していた。すなわち、インフルエンザ菌はその増殖の相に応じてPCの発現が変化し、これが細菌の接着、侵入に関与すると思われる。 3)PC経鼻免疫応答 マウスにPC-KLHをコレラトキシン(CT)とともに経鼻免疫したところ、唾液中そして鼻腔洗浄液中にPC特異的IgA抗体の上昇が認められ、血清中IgG抗体価の上昇も確認された。さらに、この免疫マウスに異なる菌株のインフルエンザ菌および肺炎球菌を経鼻投与すると、いずれの細菌もそのクリアランスが上昇していた。また、PC-KLHの経鼻免疫におけるIgE産生を観察したところ、CT単独免疫群と比較してIgE産生が抑制されていた。 4)粘膜アジュバントの開発 新しい粘膜アジュバントとして注目されているCpGおよびFlt3リガンドを用いて卵白アルブミンとともにマウスに経鼻免疫したところ、両者を併用することによって、Th1およびTh2型の免疫応答がともに活性化され、さらにその免疫応答が長期間メモリーされることが判明した。 以上の結果から、PCが広域スペクトラムを持つワクチンであり、その経鼻投与によってインフルエンザ菌や肺炎球菌による上気道細菌感染症を予防できることが示唆された。
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