研究課題/領域番号 |
17390491
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
篠田 壽 東北大学, 大学院歯学研究科, 教授 (80014025)
|
研究分担者 |
竹山 禎章 東北大学, 大学院歯学研究科, 助手 (00333823)
荘司 佳奈子 (荘司 加奈子) 東北大学, 病院・助手 (90302158)
島内 英俊 東北大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70187425)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
|
キーワード | 歯周病 / ビスホスホネート / 骨吸収 / 骨形成 / プロスタグランジンE2 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 歯槽骨 / プロスタグランジンE_2 / 歯周炎 / 抗炎症作用 / プロスタグランジン / NO / COX |
研究概要 |
強力な骨吸収抑制薬として知られる一連のビスホスホネート(BP、BPs)系化合物の中から8種のBPsを選び、歯周病治療薬として、どのBPが最も高い可能性を有するかについて種々の検討を行った。その結果、(4-メチルチオフェニル)チオメタンビスホスホネート(TRK-530)に高い可能性が見出されたので、このBPを中心にその薬理作用、作用機序、安全性について検討し、概ね以下の結論を得た。 1.TRK-530は、LPS, PGE2,IL-1等による骨吸収の促進を、用量依存的に抑制した。 2.現在、骨粗髪症治療薬あるいは高カルシウム血症治療薬として最も広く使用されている窒素含有BPs(N-BPs)は、LPS刺激によるPGE2産生の増加を用量依存的に増強するのに対して、TRK-530はこれを用量依存的に抑制した(マウス頭蓋冠骨器官培養系)。その機序は、抗酸化作用に基づくCOX-2の発現抑制に基づくものと推測された。 3.N-BPsは、骨芽細胞系のセルラインにおいて、アルカリホスフアターゼ活性を抑制するのに対して、TRK-30は、用量依存的に増加させた。 4.ラットやウサギの歯槽骨に局所投与したTRK-530は、投与部位の骨密度と骨量を著明に上昇させた。 5.全身的あるいは局所的に投与したTRK-530は、ラットの実験的歯周炎モデルにおいて用量依存的に歯槽骨の吸収を抑制し、歯周組織の破壊を抑制した。 6.BPsの副作用の一つとして報告されている抜歯後の骨壊死に関して、ラット抜歯窩の修復に及ぼす効果を検討した。N-BPsの一つであるゾレドロネートの大量全身投与は、抜歯窩の修復を遅らせるのに対して、TRK-530にはそのような作用は認められず、むしろ修復を促進する傾向が見られた。 以上、本研究により、TRK-530は、多くのBPsの中でも歯周病治療薬としての比較的優れた性質を有することが示唆された。
|