研究課題/領域番号 |
17390496
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
松口 徹也 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10303629)
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研究分担者 |
大西 智和 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (30244247)
柿元 協子 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (40274849)
坂東 健二郎 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (50347093)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
15,500千円 (直接経費: 15,500千円)
2006年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
2005年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
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キーワード | Th1 / Th2 / MAPキナーゼ / Toll-like receptor / トランスジェニックマウス / 自己免疫疾患 / JNK / 細胞内シグナル伝達 / PBC / Th2分化 / 原発性胆汁性肝硬変症 / 細胞分化 / 骨芽細胞 / Toll-likereceptor / 感染症 |
研究概要 |
Th1/Th2分化機構の解明は、感染症、発癌、自己免疫疾患やアレルギー疾患の薬物療法の標的分子の特定にとって極めて重要であり、本研究では、Th1/Th2分化を決定する調節機構のうちの2つ:1)ヘルパーT細胞におけるJNK活性、2)抗原提示細胞へのTLRからのシグナル、について解析を進めた。JNK特異的なMAPキナーゼフォスファターゼであるMKP-Mは、ナイーヴヘルパーT細胞に少量発現され、Th2分化でその発現量が上昇する。T細胞特異的MKP-Mトランスジェニック(Tg)マウスの解析と、アデノウィルス発現系などを用いたin vitroの解析によって、ヘルパーT細胞におけるMKP-Mの発現が、生体内の抗原特異的免疫反応のTh2方向への偏位に重要な働きを果たしていることを示した。また、T細胞特異的なDN型MKP-MのTgマウスはTh1優位な抗原特異的免疫反応を示し、自己免疫性肝疾患であるPBCのモデルマウスとして有用な可能性を示した。 主な研究実績 1)Lckプロモーターを用いたT細胞特異的なMKP-M(野生型およびDN変異体)のTgマウスの系統を確立した。DN変異体Tgマウスの一部では胸腺内T細胞分化異常を認めた。野生型およびDN変異体TgマウスのOVAによる抗原感作を行ったところ、コントロールマウスと比べて、野生型Tgマウスにおいては、血中のOVA特異的IgG1、IgEサブタイプ抗体の増加、およびIL-4産生量の増加を認め、逆にDN変異体Tgマウスにおいては、IgG2aサブタイプの増加、IFNγ産生量の増加を認めた。これらの結果から、MKP-Mの生体内Th1/Th2分化における重要な役割が示唆された。 2)自己免疫疾患である原発性胆汁性肝硬変(PBC)のマウスモデルを確立する目的で、Th1優位なDN変異体Tgマウスをピルビン酸デヒドロゲナーゼ(PDC)抗原で感作したところ、野生型マウスでは認められなかった腹水貯留を伴う著明な肝障害を認め、細胆管周囲組織への炎症性細胞の浸潤を認めた。また、DN変異体Tgマウスは、PDC抗原未感作でも血中抗ミトコンドリア抗体の陽性を認め、PBCマウスモデルとして有用な系統であることが示唆された。 3)カリニ肺炎感染マウスモデルにおけるTLR4シグナルの役割を明らかにした。 4)MKP-Mは骨芽細胞でも強く発現し、その分化に伴って発現パターンが変化することを見いだした。 骨代謝におけるMKP-Mの生理的機能について現在解析中である。
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