研究課題
基盤研究(B)
これまで口腔内細菌叢については培養法に基づいて研究されてきた。口腔内には700種以上の細菌の存在が推定されているが、培養法では約50%しか明らかにされていない。口腔内環境の理解には全細菌叢を知る必要があり、培養できない、まだ性状不明な細菌種も口腔疾患の病因に関与する可能性がある。そこで我々はこの問題を解決する新しいアプローチとして細菌16SリボソームRNA遺伝子(16S rDNA)に基づくメタゲノム解析を考案した。本研究では様々な口腔内細菌叢の様態や構成や変化を培養法に依存しない分子生物学的方法によって調べた。すなわち、16SrDNAを指標に口腔内細菌叢を解析する方法としてクローンライブラリー法、PCR-DGGE法に加えて、T-RFLP法を確立し、研究を進めた。さらにPhilip S.Stewart教授(モンタナ州立大学Center for Biofilm Engineering)の支援のもと、改良キャピラリーフローセルと共焦点レーザー走査型顕微鏡を用いてバイオフィルム形成過程や阻害過程を高解像度でリアルタイムに三次元的に解析できる実験系を確立した。まず、口臭を主訴とする患者の膿栓試料の細菌叢についてクローンライブラリー法で16S rDNA塩基配列(約600bp)を分析した結果、口臭原因物質である含硫黄化合物を産生するFusobacterium種などの嫌気性細菌や未知の細菌群を同定した。またPCR-DGGE法解析によってProfessional toothbrushingは歯肉縁下プラーク中の歯周病細菌群を減少させ、細菌叢を劇的に変化させることが判った。さらに、日本の歯周病患者では深い歯周ポケットの重度な歯周炎病巣ほどメタン産生古細菌の検出割合が高く、一方化学療法前後における造血幹細胞移植患者では、病原細菌や日和見感染菌などが口腔内に出現し、細菌叢が劇的に変動することも判った。
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FEMS Immunology and Medical Microbiology (In press)
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