研究課題/領域番号 |
17390505
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野田 守 北海道大学, 北海道大学病院, 講師 (10301889)
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研究分担者 |
佐野 英彦 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90205998)
中沖 靖子 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50302881)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2005年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | HSE / ストレス蛋白 / グルタチオン / ラジカル / コンポジットレジン / 転写因子 / 象牙質接着材 / ストレス / HEMA / TEGDMA / HSP / NF-kB |
研究概要 |
コンポジットレジンのモノマーであるHEMA及びTEGDMAのHSE転写への影響を、ヒト由来monocyteのTHP-1細胞にHSEを含むベクターをトランスフェクションさせ、レポータアッセイにより調べた。その結果、1)HEMAでは濃度に依存してHSEの転写阻害がみとめられた。2)TEGDMAではHSEの転写阻害は認められなかった。以前の報告より、HEMAおよびTEGDMAはストレス蛋白の誘導を阻害することから、HEMAとTEGDMAでは阻害のメカニズムが異なることが示唆された。すなわち1)HEMAは細胞核内に侵入しHSE転写を阻害しストレス蛋白誘導に影響を与えるが2)TEGDMAはHSE転写に影響を与えず、転写以後のレベルで阻害をしていると考えられた。 コンポジットレジンに添加されている重合開始材やHEMA、TEGDMAの細胞に細胞内グルタチオンへの影響を検討した。その結果、モノマーではGSHの濃度上昇を認めたが、GSH-GSSGの濃度比に有意差は認められなかった。ラジカル発生成分ではGSHの濃度上昇に加え、GSH-GSSGの濃度比も有意に変化が認め、ラジカル発生成分が細胞へのストレスとなることが示唆された。また、発生したラジカルのグルタチオン濃度と転写因子(NF-kB)に及ぼす影響を調べた。その結果、光照射によりラジカルが発生するとGSH-GSSG共に顕著に低下し非常に強いストレスとなっていることが明らかとなった。また、ラジカル発生成分はNF-kBの転写を抑制することが明らかとなった。以上より、光重合型コンポジットレジンに含まれる各成分や重合の際に発生するラジカルがそれぞれ細胞に対してストレスとなるばかりでなく、複合的に作用することが示唆された。 コンポジットレジンがより生体に対して親和性の優れた材料となるには細胞へのストレス軽減が必要であり、複数のストレス因子の相乗効果も検討していく必要があると思われた。
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