研究分担者 |
永田 昌毅 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10242439)
藤田 一 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60271805)
新垣 晋 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30134943)
朔 敬 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40145264)
星名 秀行 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30173587)
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配分額 *注記 |
15,270千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 870千円)
2007年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2006年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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研究概要 |
【目的】口腔癌悪性度のバイオマーカーとして癌組織中のインテグリンファミリー遺伝子(ITG)、テトラスパニン遺伝子(TSPAN)、細胞周期に関連するサイクリンおよびCDK遺伝子、そのほかの発現量を比較検討した。 【対象と方法】方法は腫瘍組織のtotalRNAからcDNAを合成し、TaqManプローブを用いた定量的リアルタイムPCR発現解析を行った。 (1)舌癌75症例と化学歯肉癌75症例を対象とした。ITG遺伝子ファミリーに属するITGA-1、2、3、5、6、v、ITGB-1、34、5、6、CD9、CD81,CD82,CD63,CD151,EGFR,CCND1,CCND2,CDK4,CDK2 Ki67,MMP-1,-2,-3,-4,-7,-8,-9,-10,-11,-12,-13,-14,NM23の発現を定量した。得られたITG遺伝子発現データの標準化を目的にハウスキーピング遺伝子(GAPD、 ACTB、 18sRNA),KRT5, JUP, PXNについても発現を定量した。それらに対するITGの発現量の比をとり、リンパ節転移や転帰など、臨床経過との関連性について多変量的な統計学的手法を用いて解析した。 【結果】 (1)ITGB4/JUP、ITGB5/ACTBは遠隔転移や死の転帰に相関が認められた。一方、ITGA3/KRT5、ITGA3/JUPには死の転帰をとらない頚部リンパ節転移に関連が認められた。(2)歯肉癌の転移とMMP-1などのコラゲナーゼの間に軽度の相関が観察された。(3)CCND1に軽度の不良予後との関連が見出された。(4)NM23,EGFRは有意な関連を示さなかった。 【考察】口腔扁平上皮癌の経過に伴い見出されるリンパ節転移には臨床的に頚部リンパ節転移のレベルで制御可能なものと遠隔転移から死の転帰に結びつくものが存在し、これらはITGA3やITGB4、ITGB5の遺伝子発現レベルで定義される可能性が示唆された。ITGB4の上昇とITGB5の低下は癌細胞の間質接着依存性の細胞死阻止の機能に関連していることが示唆され、今後の研究が必要と考えられた。歯肉癌ではMMP遺伝子群の発現レベルは舌癌において見られたものに比べてその影響は少ないことが示唆された。細胞周期に関わる遺伝子の発現量は比較的弱いものの、最終的な死の転帰において一定の影響が示唆された。
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