配分額 *注記 |
16,510千円 (直接経費: 15,400千円、間接経費: 1,110千円)
2007年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2006年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2005年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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研究概要 |
本研究で抗癌剤感受性に関与するP-glycoprotein(P-gp)の免疫組織化学的反応性と抗癌剤の抗腫瘍効果の関連性を確認し,さらにP-gp産生とそのコード遺伝子であるmutidrug resistance(MDR)1発現が培養細胞の薬剤感受性と逆相関していたことを明らかにした.これらの結果より薬剤感受性にはMDR-1発現やP-gp産生が重要であることが示唆された.また,培養癌細胞を低酸素環境にて培養するとMDR1発現やP-gp産生が亢進していたので,癌細胞における低酸素環境はMDR1発現やP-gp産生を介して薬剤感受性を減弱することが示唆された.そこで,HVJ-リポソーム法によりHIF-1 deocy ODNsを培養癌細胞に遺伝子導入すると,低酸素環境で亢進するMDR1発現やP-gp産生を抑制し,薬剤感受性の増強効果がみられた.すなわち,HIF-1 decoy ODNsd導入による薬剤感受性増強効果に関して,培養癌細胞を用いての検討と,HIF-1活性の抑制による低酸素環境でのMDR1発現とP-gp産生の抑制,さらにSp1活性の抑制によるTNFαに誘導されるMDR1発現,P-gp産生の抑制効果について検討より,臨床応用に関しての基礎的資料を得ることができた.これらの結果より耐性を獲得した癌症例や抗癌剤の効果が乏しいとされる唾液腺腫瘍や非上皮型悪性腫瘍の治療において,HVJ-リポソーム法を用いたおとり遺伝子導入により,抗癌剤による化学療法を展開できる可能性が示唆された.
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