研究課題/領域番号 |
17390576
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
林 啓子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (50156436)
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研究分担者 |
浦山 修 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90114743)
奥野 純子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50360342)
山内 恵子 (山内 惠子) 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 講師 (90387910)
渡部 眞 名古屋学芸大学, メディア造形学部, 教授 (90440825)
河合 徳枝 (財)国際科学振興財団, 研究開発部, 主任研究員 (50261128)
樋之津 敦子 (樋之津 淳子) 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (90230656)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
15,700千円 (直接経費: 15,700千円)
2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
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キーワード | 笑い / 糖尿病患者教育 / 血糖コントロール / 顔面筋 / 表情 / 脳波α-2波 / 大脳生理学 / 前向き感情 / 脳波 / α波 / 大脳辺縁系 / 健康教育用VTR / 糖尿病教室 / α派 |
研究概要 |
本研究の目的は笑う表情を作る顔面筋や顔面の神経群を刺激するトレーニング法(笑み筋体操)のVTRを制作し、その心身に及ぼす効果を検証し、笑いによる健康教育プログラム(笑い療法プログラム)を構築することである。 まず顔面筋群を刺激する「笑み筋体操」を考案し、研究の同意を得た健康な20歳代の被験者12名(男性、女性各6名)を対象に実験をおこなった。実験第一日目では、まずコミックVTR(Mr.ビーン)を20分、と笑み筋体操のVTRを20分視聴し、60分の休憩後再度コミックVTRを視聴し脳波の測定を行った。脳波は自然脳波のα2帯域成分に着目して分析した。α2帯域は脳深部の血流量と相関を示すことが見出されているが、VTR視聴時に前被験者においてα2帯域成分のパワーが増加していることが認められ、笑うことが脳深部の活性を増加している可能性が示唆された。さらに被験者を無作為に自宅で1週間毎日笑み筋体操を実行するトレーニング群とトレーニングをしない群に分け、1週間後、コミックVTRを視聴しながら脳波を測定したところ、トレーニング群において脳深部の血流量と相関があると言われているα2帯域成分のパワーの増加率が有意に高いことが認められた。 さらに平均年齢60歳代の糖尿病患者24名に「笑み筋体操」を取り入れた糖尿病教育を9か月間実施した。研究前年のHbAlc値の変動と比較した結果有意な改善がみられた(p<0.05)。また笑み筋体操のVTRを自宅に持ち帰って毎日トレーニングすることを依頼し、笑う頻度が多いほど血糖コントロールが改善した。期間中記入してもらった日誌の記述には前向きな表現の増加が見られた。 以上の結果により、VTRに収録された笑み筋体操で表情筋を刺激するトレーニングを日常生活の中で実施することにより生理的には大脳においてα波を増加させ、心理的には前向き感情を促進し、糖尿病患者では血糖コントロールが改善した。
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