研究分担者 |
藤田 君支 佐賀大学, 医学部, 助教授 (80315209)
安田 加代子 佐賀大学, 医学部, 講師 (90336123)
石川 倫子 (池田 倫子) 佐賀大学, 医学部, 助手 (80398122)
堀川 悦夫 佐賀大学, 医学部, 教授 (10155004)
松尾 清美 佐賀大学, 医学部, 助教授 (10363441)
|
配分額 *注記 |
7,290千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
|
研究概要 |
本研究は,尿失禁のある高齢者への実用的な排尿援助方法の開発と夜間睡眠の改善を目的として,施設入所の高齢者を対象に,非侵襲性の超音波膀胱容量スキャナと排尿センサーを用いて残尿量と排尿パターンを把握し,ADLや認知機能,QOLとの関連を検討した.また,アクチグラフを用いて夜間睡眠モニタリングを行い,尿失禁の睡眠への影響とともに,排尿動作や認知機能,QOLとの関連を検討した.これらの結果を基に,個別的な排尿援助計画や用手的な残尿量減少法,排尿動作支援を試行し,尿失禁回数や睡眠状態,日中活動量の変化等について介入効果を検証した.残尿量と尿失禁の関連では,分析対象者46名のうち58.7%に尿失禁があり,失禁あり群が有意に残尿量が多く,尿失禁あり群ではADL得点は低いことが示され,失禁の評価とともに身体機能の評価が重要であることが明らかとなった.また,残尿量とQOLとの関連では,残尿量が多いほどQOL得点は低く,残尿による不快感が影響を与えているものと思われた.尿失禁,残尿量の睡眠への影響では,尿失禁あり群や残尿量100ml以上群は100ml以下群に比べ,平均眠エピソードおよび最長の睡眠エピソードが有意に短かった.尿失禁あり群は認知機能を評価するMMSE得点が失禁なし群に比べ有意に低かった.尿失禁や残尿量,ADL,睡眠状況などは相互に関連していることが示唆された.本研究における詳細な失禁の有無と残尿量の把握により,各個人の排尿における残尿量と尿失禁の関連やそれらに影響する要因を検討することができた.これらの結果から,尿失禁のある高齢者の睡眠状態の改善しQOLを高めるための排尿援助として,個々の排尿パターンやADLに応じた排尿誘導や支援とともに,残尿量を減少する排尿リハビリテーションプログラムの開発の必要性が明らかになった.
|