研究課題/領域番号 |
17401003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
地理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
境田 清隆 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10133927)
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研究分担者 |
小金澤 孝昭 (小金沢 孝昭) 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (70153517)
平吹 喜彦 東北学院大学, 教養学部, 教授 (50143045)
西城 潔 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (00241513)
大月 義徳 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (00272013)
関根 良平 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (90333781)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
13,630千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 1,230千円)
2007年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2006年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 砂漠化 / 内蒙古自治区 / 黄砂 / 土壌侵蝕 / 退耕還林 / 生態移民 / 牧畜民 / 地球温暖化 / ガリー侵蝕 / 酪農 / 内モンゴル自治区 / 気候変動 / 水収支 / 温暖化 / 業種転換 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
3ヵ年にわたり、中国内蒙古自治区の武川県と四子王旗を対象地域に選び、地形・気候・人文地最大1m/年を超す侵蝕後退量が得られた。同時に得られた地温観測結果から、ガリー侵蝕のメカニズムとして、夏季の強雨以外に春季の土壌融解の影響が示唆された。気候分野では3ヵ年を超える気象観測値が得られ、ガリー侵蝕のメカニズム解明に寄与すると同時に、カメラを用いて観測された砂塵暴の生起条件に関し、新たな知見が得られた。内蒙古自治区の中部においては近年砂塵暴が増加しており、これが日本に飛来する黄砂の増加にも寄与していると考えられる。また温暖化によって土壌融解時期が早まり、これが春季の土壌の乾燥化傾向を促し、蒸発散量が増加することと相俟って、砂塵暴を増加させているプロセスが明らかになった。人文地理分野では砂漠化防止を主たる目的に開始された退耕還林政策の影響を調査した。同政策によって一部では草原の劣化が防げたものの、強い経済力を背景に牧民を草原から引き離す(生態移民の)側面を持つこと、また現地の観光化の進展とともに、住民生活への悪影響が懸念された。さらに西部の乾燥地域やモンゴル国との比較から、内蒙古においては経済発展の影響が濃厚に見て取れた。以上の研究成果は、仙台と呼和浩特で開催された2回の研究集会で両国の研究者(および市民)に公開され、広範かつ真剣な議論を引き起こした。その過程を通して現地研究者との間には深い絆が形成され、今後の継続的な研究の推進を可能にした。
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