研究課題/領域番号 |
17401012
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
上原 聡 東北大学, 高等教育開発推進センター, 教授 (20292352)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 音声学 / 中国語 / 台湾標準語 / 社会言語学 / 声調 / 台湾語 / 対照言語学 |
研究概要 |
本研究は、清華大学(台湾)など台湾の大学の協力を得てフィールド調査を実施し、音声データを収集・分析の上、台湾の標準中国語声調の音韻・音響学的メカニズムを実証的・定量的に追求する国際的プロジェクトであった。具体的には、台湾の標準中国語の声調発音において、第三声を中心に見られる台湾独特の声調上の「ゆらぎ」(他声調への変化)に関する通時的規則性・普遍性及び台湾独特の音響学的・音韻学的特質を解明し、四声の相対的体系化を図るということを目的とした。 過去に例を見ない膨大な量のデータの処理及び解析を行ってきたが、次のような点が得られた成果・分析結果として挙げられる:イ.第三声(曲折調から下降調へ)だけでなく、第二声(上昇調から曲折調へ)にも声調コントアの変化が見られる、ロ.年代別では有為な差は見られないが、年代が上の方が保守的である、ハ.性別では、女性の方が男性より声調が安定しておりまた保守的である、ニ.言語背景別では、両言語(標準語と台湾語)話者よりむしろ単言語(標準語のみ)話者の方に声調コントアの変化が見られる。 本研究の成果は、標準中国語には地域的差異がないとする論理的前提に一石を投じ、その内に実存する多様性に光を当てることを可能にした。また、ニのような指摘は、台湾という単言語話者と両言語話者が共存するという社会言語学的状況にのみ見られる点であり、また、他の文法現象のように台湾語という外的な要因に変化が導かれていない点など、社会言語学的な音声変化に関する新たな知見につながるものである。
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