研究課題/領域番号 |
17402014
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
国際関係論
|
研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
井上 泰浩 広島市立大学, 国際学部, 教授 (50347613)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
4,240千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | パブリック・ディプロマシー / 外交 / 広報外交 / メディア / 政治コミュニケーション / 国際関係 / グローバル・メディア / ニュース |
研究概要 |
本研究では、日本の外務省でパブリック・ディプロマシーをつかさどる文化広報部、イギリス政府(内閣府、外務省=FCOなど)、ならびに英外務省のシンクタンクである外交政策研究所(Foreign Policy Centre)、また、東京のアメリカ大使館など政府機関において調査を実施するとともに、メディアではロンドンのBBCとアラブ首長国連邦のドバイに本部を置く中東の衛星テレビ局、アル・アラビアなどで調査を実施した。外交というものが、外交官や政治家、国家代表団による密室協議で方向づけられ、決定される時代は既に終わっているということを、米英の外務省は十分認識していることが調査から分かった。国際ニュースを世界に伝えるCNNやBBCの役割はいうまでもなく、特に大衆文化レベルのコンテンツは一般市民に対する対外国意識形成において非常に大きな影響力を持っていること、また、政治家や外交官のレベルでの「外交」においても、時として非常に重要な決定要因足りえることが分かった。例えば、日本のアニメが放送される国において日本イメージ形成に与える影響では、人びとの日本に対する好感度を高めるばかりか、実際に日本語学習を始めるという行動面への影響もある。 しかし、米英の外務省と比べると、日本の外務省においてはパブリックディプロマシーの重要性の認識は多分にリップサービス的な部分が多く、果たしてキャリア外交官の多くが本当に重要性を認識し、取り組んできるかについては大きな疑問があることが調査の結果わかった。もはや経済力や軍事力だけで、ある国の「価値」や強さを示すことは時代遅れであり、国家ブランディングと合わせてパブリックディプロマシーに国家事業として取り組んでいく必要があるというのが、本調査の結論である。
|