研究課題/領域番号 |
17402032
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
臼井 恒夫 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (10193872)
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研究分担者 |
嵯峨座 晴夫 早稲田大学, 名誉教授 (10097256)
店田 廣文 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20197502)
村田 久 山村学園短期大学, 保育科学科, 講師 (80350445)
鶴若 麻理 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (90386665)
加藤 陽子 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (40409701)
宮内 孝知 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (40063771)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
2006年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2005年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | アジア / 高齢者 / 世代間関係 / 世代間転移 / 国際比較研究 / 世代間移転 |
研究概要 |
一般に、日本を含めたアジア諸国での高い同居率は、同居子が高齢の両親に対して十分な支援を提供している証拠であるとみなされやすいが、同居はより複雑な意味をもった現象である。たしかに高齢者が子どもと一緒に住むことは、さまざまな場面で世代間の関係を生じさせる可能性をもつが、同居それ自体は子どもから両親に資源やサービスが移転されていることを必ずしも意味しない。 同居・別居にかかわらず、資源の世代間移転という面でみれば、高齢者は一方的に家族員から援助やサービスを受けるだけではなく、反対にそれらを家族員に対して提供している。今回の台湾やマレーシアの調査結果にみられるように、子どもが成人である場合でも、高齢者はしばしば孫の世話や家事の分担のようなかたちで子ども世代に貢献している。日本における調査結果でも、同居既婚子や同居未婚子に対して、実際に高齢者は多くの支援を提供している。 高齢者と家族・親族との関係でみれば、本人および配偶者の兄弟姉妹との間では、交流の頻度や資源の移転という面で互いに同じ頻度や程度で移転が行われるという傾向がみられた。これに対し、高齢者の上の世代である老親、 さらには下の世代である子どもや孫に対しては高齢者の方がより多くの頻度や程度で支援を提供しているという非対称的な傾向が浮かび上がった。 こうした意味で、家族・親族に対する高齢者の貢献のあり方を理解することは、社会経済的な変動という文脈の中で高齢者の役割を再評価する上でも重要であると思われる。
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