研究課題/領域番号 |
17405008
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森 哲 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80271005)
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研究分担者 |
中村 雅彦 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (90272880)
長谷川 雅美 東邦大学, 理学部, 教授 (40250162)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
14,650千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 1,350千円)
2007年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2006年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2005年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | マダガスカル / 熱帯乾燥林 / 爬虫類 / 鳥類 / 動物群集 / コミュニケーション / 捕食者 / 被食者 |
研究概要 |
調査は各年度とも、現地の雨季に相当する10月から2月の間に、熱帯乾燥林であるアンピジュルアを中心に行なった。まず、基本的な生活史情報の集積として、3年間を通して、ヤモリ類とカメレオン類を中心とするトカゲ類、及び、全種のヘビ類を対象に、直接観察と標識再捕獲法を用いて、餌の種類、採餌場所、体長や頭部の大きさ等を調べた。特に、鳥を捕食することが確認または推測されているヘビ類4種を対象に、電波発信器による行動圏や活動場所、活動時間の詳細な調査をアンタナナリブ大学の学生の協力を得て1〜2年間に渡って継続して実施した。これらの結果、ヘビ類は本地域に生息する多くの脊椎動物の捕食者であることが確認できた一方、鳥類の専食者は存在せず、ヘビ類以外に猛禽類やキツネザル類も鳥類の卵や雛の重要な捕食者である可能性が示唆された。また、鳥類のモビングを誘発するために、ヘビのモデルや実物のヘビを提示する実験を行い、モビング時の鳥の音声を録音するとともに、どのような状況のヘビにモビングを頻繁に行なうかを調べた。一方、猛禽類に対するトカゲの防御反応を調べるため、ハイタカのモデルの提示実験を行い、飛来するモデルに対して、顕著な逃避反応を示すことを確認した。鳥類のモビング声の盗聴に関する実験は、マダガスカルヒルヤモリ、ブキオトカゲ、および、カタトカゲを用いて行ない、特に、マダガスカルヒルヤモリにおいては、モビング声に反応して体色を変化させるなどの防御行動が誘発されることが示された。さらに、鳥の卵や雛の潜在的な捕食者であるブラウンキツネザルの採餌行動や行動圏の詳細な観察も行い、特に鳥類の繁殖期には、鳥類から頻繁にモビングを受けていることなどを確認した。以上より、これまでの調査結果と合わせ、本調査地の爬虫類と鳥類の間には、捕食-被食、競争、及び、情報盗用の関係があることが示された。
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