研究課題/領域番号 |
17405021
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
人類学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
西田 正規 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 教授 (60088549)
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研究分担者 |
片山 一道 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (70097921)
大沼 克彦 国士舘大学, イラク古代文化研究所, 教授 (70152204)
常木 晃 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 教授 (70192648)
久田 健一郎 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 助教授 (50156585)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2006年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2005年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 人類学 / 南イラン / ネアンデルタール / ホモ・サピエンス / 更新世 / 旧石器時代中期 / 人類の拡散 / 洞窟遺跡 / イラン南部 / 先史時代 / 遺跡分布 / 石器資料 / ムステリアン |
研究概要 |
イラン南部地域は、ネアンデルタール型人類の分布の東の境界を探る上において重要な地域であるが、先史学的調査の蓄積は未だ多くない。1976年の京都大学池田次郎教授を代表とする調査隊は、ファルス県アルセンジャン地域において遺跡分布調査を実施し、多数の有望な遣跡を発見している。だがこの調査は、直後のイラン政変のために中断していた。近年、イラン政府は外国調査隊を受け入れる姿勢に変わりつつある。そこで本研究は、先の京大隊調査の継続を目指して調査を進めた。 17、18年度を通じ、先の分布調査で発見したいくつかの重要遺跡について現状確認を進め、本格的な発掘調査の可能性を検討した。この30年の間にアルセンジャン地域の市街地は大きく拡大し、大幅な道路整備なども進められていたが、そのために破壊された遺跡はないようである。だが重要な遺跡の直近において水利工事が進行しているケースなどもあり、遺跡の保護対策や緊急調査の必要性が認められた。 1976年の分布調査において約6000点の石器および土器資料が採集された。17年度の調査において、この時に採集した資料が、搬入したままの状態でイラン国立博物館の倉庫に保管されていることが確認できた。そこで18年度、アルセンジャン地域における洪積世石器類の概要を把握する目的で、その内の約300点について詳細な観察と実測図の製作を行なった。その成果として、この地域には、少なくとも中期旧石器時代から新石器時代に至る石器が分布していることが確認できた。いくつかの重要遺跡では中期旧石器時代から新石器時代までの連続した堆積層が残されている可能性が確認できた。そしてこれらの成果をペルシャ語の石器カタログ集としてまとめた。このカタログの出版により、アルセンジャン地域の先史学的重要性が世界に広く認知され、また今後の本格的な遺跡調査の実現に繋がると期待される。
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