研究課題/領域番号 |
17405045
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
環境農学
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研究機関 | 麻布大学 (2007) 東京大学 (2005-2006) |
研究代表者 |
高槻 成紀 麻布大学, 獣医学部, 教授 (00124595)
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研究分担者 |
恒川 篤史 鳥取大学, 乾燥地研究センター, センター長 (60227452)
佐藤 雅俊 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (60260402)
須田 知樹 立正大学, 環境科学部, 講師 (60409563)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 600千円)
2007年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | モンゴル / 放牧 / 草原生態系 / ポリネーション / 生態系エンジニア / シベリアマーモット / 生育型 / 草原 / 生物多様性 / マーモット / マウンド / 均質 / 齧歯類 / ニホンジカ / 繁殖システム / 生涯繁殖成功 / 生命表 / 平均寿命 / なわばり / 遺伝的類似度 / モンゴル平原 / 放牧圧 / 訪花昆虫 |
研究概要 |
モンゴルでは1990年代に体制変化が起きたために人口と家畜の数が増加し、しかも都市への集中が起きている。このため家畜による草原への影響が過度になる傾向が強まってきた。このことは牧畜の視点から関心がもたれて研究もおこなわれているが、草原の生物多様性という視点からの研究はほとんどおこなわれてこなかった。そこで本研究では放牧圧の違う場所を選らんで、そこで群落調査をおこない、それを一定の基準で類型化した。次に群落の変化が生態系の機能としてのポリネーション(受粉)にどのような違いをもたらしているかを調べることとした。また放牧を含む人為影響はシベリアマーモットの減少をもたらす。マーモットはマウンドを形成するという生態系エンジニアとしての機能をもつが、これは群落変化をもたらし、それがイネ科の卓越する単純で均質な草原に異質性をもたらしていると予想された。そこで放牧圧がある場所とない場所においてマーモットのマウンドの調査をし、群落比較をおこなった。その結果、放牧圧が強くなるにつれてバイオマスが現象するが、その現象のパターンはGiminghamの生育型と強い関係があり、まず大型双子葉草本(e型、b型)が減少し、次に大型叢生型(Tt型)が減少した。これに対して小型叢生型(Ts型)、匍匐型(pr型)、ロゼット型(r型)などは減少しないため、相対優占度は大きくなった。e型、b型には虫媒花が多く、その減少はポリネータの減少をもたらした。このように放牧は群落の組成を大きく変化させ、ポリネーションにも大きな影響を与えていた。またマーモットのマウンドは均質なイネ科草原に異質性を生み出し、そこにしばしば虫媒花植物が生育しており、マルハナバチ類が訪花していた。したがって、マーモットの存在は草原に異質性をもたらし、それがポリネーションを活発化していると考えられた。このことは、マーモットの減少は草原の生物多様性保全にとって望ましくないことを意味する。
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