研究課題/領域番号 |
17406020
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
李 明鎮 (李 明鎭) 神戸大学, 大学院医学系研究科, 講師 (20273766)
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研究分担者 |
西尾 久英 神戸大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80189258)
綾木 仁 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (80222701)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
2006年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2005年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 日本人 / 韓国人 / 乳がん / UGT1A1遺伝子 / G71R / -3279 T>G / UGT遺伝子 |
研究概要 |
UDP-グルクロニルトランスフェラーゼ(UGT)はステロイドホルモンなど内在性化合物の代謝による細胞内恒常性を維持する役割を担っている。我々は、体内のエストロゲンがUGT1A1酵素によりグルクロン酸抱合され排泄されること、そして幾つかのUGT1A1遺伝子変異の頻度が民族によって異なることに着目し、日本人と韓国人の両民族におけるUGT1A1遺伝子変異と乳がん発生との関連性を調査した。 1.UGT1A1遺伝子のG71R変異をより迅速に検出するため、DHPLCを利用した方法を用いた。解析の結果、日本人健常者81人と乳がん患者95人の変異アリル頻度は各々0.15と0.11で、統計的有意差はなく、日本人においてG71R変異と乳がん発生との関連性は低いと考えられた。韓国人健常者100人と乳がん患者88人の変異アリル頻度は各々0.17と0.02であり、乳がん患者の変異頻度が著しく低く、G71R変異と乳がん発生との関連性が認められない結果となった。 2.UGT1A1遺伝子の-3279 T>G変異の簡便な検出方法として、COP-PCRによる手法を考案し、解析を行った。日本人健常者と乳がん患者の変異アリル頻度は各々0.34と0.48で、乳がん患者の方が有意に高く、日本人における-3279 T>G変異は乳がんの発生に関わる可能性が示唆された。韓国人健常者と乳がん患者の変異アリル頻度は非常に高かったが(0.51と0.63)、統計的な有意差は認められなかった。また、日本人健常者と韓国人健常者の変異アリル頻度には有意差があり、両民族の遺伝的要因の相違が、乳がん発生に影響する可能性が強く示唆された。 3.UGT1A1遺伝子の変異がUGT1A1酵素の活性に及ぼす影響を調べるため、UGT1A1遺伝子のG71R、F83L、I322V、G493Rの変異を取り入れた発現クローンを作製し、LC/MS/MS systemでE2のグルクロン酸抱合能の測定を行った。G71R、F83L、I322V、G493Rのホモ変異型のUGT1A1酵素活性は野生型の20、30、18、0.6%であり、ヘテロ変異型の場合は、各々80、79、68、38%であった。この結果でUGT1A1酵素のE2へのグルクロン酸抱合能は変異によって大きく低下することが分かった。
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