配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
本研究の主な目的は,計算機代数で用いられる基本演算を標準的なライブラリプログラムとして整備し,数式処理に特有の高速化技法を開拓し高性能な実装を開発することであり,独自の高速化技法の開拓,漸近的高速算法の実用化,これらを考慮したプログラムライブラリの設計と試作という従来からの研究課題を進展・発展させるものである.具体的には,1.既存数式処理システムの書換えも含めたライブラリプログラムの利用,2.大型機も含めた多様な計算機への対応とチューニング,さらに余裕があれば3.有効性を実証する大規模計算の実施,4.式を日常的に利用し易くするソフトウェア群の開発などである.実際に行った研究内容と成果は以下のとおり:1.行列演算の漸近的高速算法のまとめとそれに基づく専用のデータ構造による実装を行った.その結果はライブラリの枠組を決める際の検討材料とした.また,非標準的な算法でもー機能として提供するの意義も認識した.2.高性能化については,HIやマルチコアCPUの普及が急速に進み,対応が不可欠となったため方針を変更し,マルチスレッド並列処理の研究を進めた.数式計算における単純な計算モデルをいくつか考案し,問題点の明確化と性能評価のための検証実験を進めた.共有メモリ下での並列処理とメモリ管理機構の共存,基本機能の高速処理が可能となった場合の粒度の大きさと機能のレベルといった難しい課題が明らかとなった.3.これを活かす典型的な応用例として関数描画をとりあげ,既存算法の改良,並列処理の可能性と方針の検討を実証的に進めた.4.式の扱いを支援するためのソフトウェアは,指導する学生・院生により試作された.WEBブラウザ向けのソフトはその構成自体に新規性があり世界的に注目を得ている.
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