配分額 *注記 |
3,440千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
結び目は円周の3次元空間への埋め込みで,絡み目は複数の円周の3次元空間への埋め込みである.結び目と絡み目は辺にラベルの付いた平面グラフで表現できることが知られており,計算幾何学やグラフアルゴリズムと密接に関連している.本研究の目的は,位相幾何学における計算問題の計算構造を明らかにし,その計算量を解明することである. 2-bridge絡み目とclosed 3-braid絡み目は,もっとも基本的な絡み目型である.Montesinos絡み目は,2-bridge絡み目のある種の一般化であり,また,Pretzel絡み目のある種の一般化でもある.本研究では,特に,これらの絡み目型に対して,Jones多項式を高速に計算するアルゴリズムの設計を行った.2-bridge絡み目とclosed 3-braid絡み目に対しては,以前提案したアルゴリズムの実行時間を精緻に解析した.Montesinos絡み目に対しては,Montesinosダイアグラムに対応するTaitグラフを入力とし,そのTaitグラフを整数列の列による表現に変換する線形時間アルゴリズムと,整数列の列による表現からJones多項式を計算するアルゴリズムを設計し,結果として,Montesinos絡み目のJones多項式は,入力ダイアグラムの交点数をnとすると0(n^2 log n)時間で計算可能であることを示した.また,Montesinos絡み目に対応するTaitグラフの特徴付けを行った.このことにより,頂点数nのTaitグラフが入力されるとMontesinos絡み目に対応するかどうかをnの線形時間で計算するアルゴリズムを示した.この際,入力されるTaitグラフには制限はない. 特定の絡み目型に対して,Taitグラフの認識やJones多項式の計算を高速に行うアルゴリズムを示すことに成功したが,このようなアルゴリズムが存在する絡み目型の特徴付けは今後の課題の一つである.
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