研究概要 |
仮想機械環境でCPU時間予約を可能にするリアルタイムスケジューリングフレームワーク,およびリアルタイムスケジューリングフレームワークの実現を可能にする仮想機械環境の研究を行った.複数のオペレーティングシステム(OS)に必要な実行時間を与えるスケジューリングを可能にするには,十分に軽量な仮想機械環境が必要となる.本研究では,そのような仮想機械環境をIntel IA-32プロセッサ上に試作し,OSとしてLinuxおよびRTOSを実行可能にした. 仮想機械環境でCPU時間予約を可能にするスケジューリング理論は,仮想機械環境でのCPU時間予約要求を統合することで,仮想機械環境を実行するOSカーネルが十分なCPU時間を仮想機械に与える.仮想機械環境においては,スケジューリングは仮想機械環境を実行するOSカーネルによる仮想機械のスケジューリングと,仮想機械環境内でのタスクスケジューリングに分離されてしまう.従って,それぞれのスケジューリングを分けて考えることができるように,仮想機械における複数のタスクによるCPU時間予約要求を統合する.資源管理フレームワークは,スケジューリング理論に基づきCPU時間割り当てを行う.仮想機械環境でのタスクのCPU時間予約要求とそのスケジューリングパラメータとの対応を管理し,CPU時間予約要求が満たされるようにスケジューリングを行う. 試作した仮想機械環境はIntel IA-32プロセッサ上で動作し,OSとしてLinuxおよびRTOSを実行可能にすることができた.
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