研究概要 |
Webアプリケーションを,開発済みのWebサービス関数の起動によって実現できれば開発工程は効率化できる.しかし一般には,どのような状況で起動されるか未知である.この結果,順序依存性を無視した起動や,未設定値参照などの操作的不整合が発生する.本研究は平成17-18年度の以下の成果によりWebサービス関数を利用したWebアプリケーションの一貫性検査に対して改善を行うことができた. 平成17年度 1.状態波及法による一貫性検査 Webサービス関数にメタデータとして,事前条件と効果の記述を与え,一貫性検査を行う状態波及法を開発した.本手法は,OWL-Sを利用してWebサービス関数の事前条件と効果を付加し,開発段階で矛盾などの検出を行うことができる. 2.クエリ処理法 少し異なる語彙関係記述を持つ複数の文書に対する効率的なクエリ処理法を開発した.本手法は,複数の語彙関係記述に対し,適切に一般的なクラスやプロパティを持つ別の語彙関係記述を導入し,クエリ変換や推論を,各語彙関係記述の文書ごとに行える. 平成18年度 1.状態波及法の簡易化 状態波及法を簡易化した場合の検査方式を開発した.この結果,従来の後方から前方へ逐次計算していく最弱事前条件計算法と比べた場合,状態波及法は単純だが収束時間がかかることがわかった. 2.状態波及法の高度化 状態波及法を高度化した場合の検査方式を開発した.事後条件で場合分けの記述を扱うことができなかった問題,すなわちWebアプリケーションでしばしば発生する場合分けを許した事後条件記述を,一部の場合に可能とする検査方式を開発し,プロトタイプを実装した.
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