研究概要 |
(1)自己組織化可能なセンサー網のグラフ理論的モデルの構築:センサー網を含むアドホック無線網に対して以下の特徴をもったモデルを構築した.(a)動的に変化するネットワークを取り扱える.(b)ネットワークのスケーラビリティに対処可能な階層的構造(クラスタ構造)を持つ.(c)最も基本的な操作であるプロードキャストが効率的に行うことができる. (2)自己組織化可能なセンサー網の拡張:(1)で構築したモデルを基礎として,以下の拡張を行った.(a)複数の網の統合と分離を可能なるように,網の動的取扱いを拡張した.(b)ブロードキャストではなく1対1通信をより効率的に行えるようなセンサー網モデルを構築した. (3)センサーフュージョンに対する基本操作の効率的アルゴリズムの開発:センサーフユージョンの基礎となるブロードキャストとギャザリングを効率的に行うためのクラスタアーキテクチャの改良とそのアーキテクチャ上での最適なブロードキャストとギャザリングアルゴリズムを開発した. (4)自己組織化センサー網のための自己安定アルゴリズムの開発:クラスタ構造を持つセンサー網構築に対する自己安定アルゴリズムを開発し,センサー網が一時故障から自律的に回復が可能であることを示した. (5)アドホック無線網に対する理論的結果の改良:従来の無線網モデルの上で、これまでの理論的結果を拡張した.具体的には,以下の成果を得た.(a)一般にはアルゴリズムが存在しないことが証明されていた確認付ブロードキャスト問題に対して,アルゴリズムが存在するための実用的な十分条件を与え,その問題に対する最適なアルゴリズムを与えた.(b)無線網の初期化において重要な基本操作であるノードの番号付問題に対して,定数係数を含めて最適なアルゴリズムを開発した.
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