研究概要 |
マイクロOSとして,汎用リアルタイムOSのTOPPERS/JSPカーネル,実時間分散処理向けOSのLP49,センサネットワーク用OSのTinyOSを対象に加えて,動的適応システムへの適用法について検討を行った.マイクロノード間の通信を行う上で安定した通信を行なえる無線アドホックルーティングプロトコルの評価を行い,DSRが有効であることの見通しを得た.ソフトウェアの動的更新機能として,(1)LP49のプロトコルを動的に切り替える機能,(2)TinyOSが制御するデバイスを動的にオンオフする機能,を実装しその検証を行った.(2)については,マイクロノードの実機としてセンサネットワークシステムのMOTEを用いた.LP49がサポートする機能の動的脱着を行う汎用機構の実現に必要となるマルチサーバ化の方式について検討を進めた.これらによりマイクロOSの高機能化の見通しを得た. センサネットワークにおけるデータ取得制御方式の詳細化を進めた.本方式の検証を実機で実施するには限界があるため,複数センサネットワークをコンピュータ上で模擬する環境の設計を行い,実装を進めた.これにより大規模センサネットワークシステムにおけるデータ取得、管理の効率化の確認が容易になる. 動的適応システムの応用例として,(1)児童見守り防犯システムの提案とプロトタイプの評価,(2)交差点周辺において歩行者の移動支援を行う方式の提案と基礎評価,を行った.(1)では地域適応プログラムを既存のものと置き換えることで,環境の変化に適応し正常にサービスを提供できることを確認をした.(2)では,自動車や二輪車等の移動体及び歩行者の位置情報と移動履歴の情報を用いることにより,(a)歩行者を適当な経路に誘導する,(b)信号機の切り替えタイミングを動的に変更する,ことにより,交差点における移動体と歩行者の待ち時間を削減する.
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