研究概要 |
本研究は,特に今後発展するであろう高いフレームレートの動画像をネットワーク上で伝送する際に,限られた伝送帯域の中でその画像品質を最大化するように圧縮符号化する手法について検討したものである.具体的には,(1)高フレームレート動画像に対し,動きの特徴に応じてフレームレートを適応的・局所的に選択する制御法を確立する.(2)非一様フレーム間隔動画像の時間的品質を特徴量から予測する手法を確立する,(3)両者を応用し,時空間の総合的な主観評価値を最大化する符号化アルゴリズムを確立する,の3点を最終日標として2年間の研究を行った. 平成17年度は,(1)および(2)について検討し,動画像の動きの非定常性に対応し,かつフレームレートの変化に伴う不連続感を極力抑えたフレームレートの適応的な制御手法を確立した.また,得られるフレーム列の平均フレームレートから,その主観評価値(MOS)を予測する手法を確立した. 平成18年度は(3)について検討し,17年度に得られた(1)および(2)の結果,および研究者が先に提案した空間方向の画質(MOS)を推定する手法を実際のMPEG-4符号化器に適用し,MOSを最大化する"最適フレームレードを推定し,その下で対象動画像を符号化する新しい符号化アルゴリズムを開発・実装した.また,得られた結果を一定フレームレートの動画像と比較し,提案手法の有効性を検証した. 以上,本研究は申請時の計画に従って遂行され,所期の結果を得ることができた.,
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