研究概要 |
本研究は,データや情報の中から,その本質や構造,または注目すべき部分を抜き出し,擬人化エージェントに説明させる技術(プレゼンテーション化)の開発を目指すものである.具体的には,図表を作成する際に,説明したい内容の構造を指定させ,プレゼンテーションを生成するシステムや,説明すべき特徴の候補を選び出し,ユーザに選択させることで,半自動的なプレゼンテーション化を可能にするシステムを構築する. 平成17年度は,ユーザが作成する図表の要素間の関連付けを行い,テンプレートを用いて擬人化エージェントによるプレゼンテーションを生成するシステムを構築した.テンプレートには,構造の情報を持つ図表のテンプレートと,図表の要素間の関係からプレゼンテーションを生成できるようなプレゼンテーションのテンプレートとが必要である.また,ユーザによる図表の要素間の関連付けの結果は木構造になることを想定しているので,その木構造を走査してプレゼンテーションを生成する仕組みも必要である.そこで17年度には,これらのテンプレートや木構造の解釈実行系を開発した. 平成18年度にはまず,上記のシステムをグラフの説明に対応できるよう拡張した.グラフの説明では,値が最大/最小/より大きい/より小さいといった個々の値の説明ばかりでなく,値の系列が増加/減少/(ほぼ)一定など,グラフの値全体の傾向も説明できるようにした.そのため,プレゼンテーションのテンプレートやプレゼンテーション指定木の解釈・実行系の拡張を行った.また,年度後半には,さらにデータ中で注目すべき候補を抜き出し,それをユーザに選ばせてプレゼンテーションする機構を研究した.これは,データ中の特徴点や特徴ある傾向を抽出し,ユーザが選択すれば,それを該当するテンプレートにあてはめるものである.
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