研究概要 |
本研究は大きく分けて次の3点を目標とした. 1.評価特徴の自動獲得プロセスのさらなる効率化 2.判定関数固有の性質の解明 3.適用できる分野の開拓 概念解析及び評価用のデータベースの構築の研究と,評価・判定エージェントの自己反映計算による実現については,これまでの準備の延長としての研究を継続した. 1.についてはきわめて多量の計算量を必要とするが,これまでと比較して100,000倍を越す高速化を実現した,これを利用して研究の成果を発展させるとともに,幾何パターンによる評価等の方向も探り,満足すべき結果を得ることができた. 2.について.各種の「判定」においては,その局面がどれくらいある性質に合致するかを求めることが要求される.たとえば将棋における「詰み」局面は,受け手が最良のプレーをしても攻め手は詰みの状態に導くことができる.普通はこの判定は実際に詰みの局面まで先読みすることによって行われるが,本研究では評価特徴を利用し,先読みなしでこれを判定することを目的とした.その結果,評価を行う特徴と判定を行う特徴とは,若干性質が異なることを明らかとした.さらに,先手と後手との状況の違いを勝率をもとに補正する方式を考案し,満足すべき結果を得た. 3.については適用可能な分野についての調査を行なった.
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