配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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研究概要 |
本研究では,神経間の相関をモデル化できる神経回路を構築し,それをパターン認識問題に応用することを目的として行った.最初に,従来のアナログ神経回路網を相関を考慮したモデルに拡張した.無向グラフィカルモデルとしてのマルコフランダムフィールド(MRF)のナイーブな平均場近似を考えれば,それはアナログニューラルネットワークとなるが,相関の情報は落とされ,直接的表現は不可能である.そこでMRFや条件付きマルコフ場(CRF)を共分散の情報を保存しながら,確定的モデルで近似する新しい平均場近似モデルを提案した.このモデルでは,位相変数を導入し,位相方程式により位相差のコサインが相関係数を表すことができる.位相方程式は,発振ニューラルネットワークの位相方程式と係数を除いて同様な形であり,位相同期と確率的相関の類似性を表している.このことは,発振ニューロンといういわば生理学的には不自然な情報処理形態を考えなくとも,通常のニューラルネットワークで,同様の情報処理が可能であることを示しているが,相関を表現できるのでそれ以上の能力がある.このモデルに対し,平均場近似としての精度を検証し,従来法より遙かに高精度であることを確認した.次にイレギュラーな局所最小値が出来ないことを実験的に確認した.最後に,パターン認識問題への応用を行い,共分散による出力を用いた場合,平均値を使うよりも格段に識別精度が上がることを確認した.これにより,もう一つの結論として,脳内表現では相関は分散以上に重要であることが分かった.
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