研究概要 |
・制約ソルバーの研究・開発 有限整数領域上の線形な制約充足問題(CSP)および制約最適化問題(COP)について,命題論理の充足可能性判定問題(SAT)への新しい変換方法(Order Encoding)を考案し,Order Encodingに基づく制約ソルバーSugarを開発した.Sugarは,2006年国際制約ソルバー競技会のN変数整数制約式部門で,この研究を始めたばかりで準備が不十分だったにもかかわらず4位となり,他のCSPソルバーが解くことができなかった問題の求解にも成功した.その後の改良により,2008年の競技会ではさらに上位が狙えるものと確信しており,今後の発展の可能性が非常に高い有望な手法である. ・並列制約ソルバーの研究・開発 上記のOrder Encoding法に基づき,グリッド計算環境上で制約最適化問題を並列に求解するシステムを開発し,求解が非常に困難な問題として知られているオープンショップ・スケジューリング(OSS)問題について評価を行った.本システムは、10台で最大7.5倍の並列効果が得られ,また最適値が未知であった3問について、最適値の決定に成功するという非常に優れた結果を得た. ・ユーザインターフェイスの研究・開発 制約ソルバーのスプレッドシート・インターフェイスCalc/Creamを開発し,研究発表を行った.
|